珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

Mas que nada

2013-07-14 08:51:21 | ボサノバ/ラテン
昨日、AIT LABOの代表さんを訪問し、DACのクロック供給方法の改良をお願いしました。詳細や音については聴き込んでから報告します。さて、いよいよ本格的な夏となりましたね。先週は名古屋方面に出る機会がありましたが、横浜と同じく大変な暑さでした。先の台湾は日差しこそ強かったですが、蒸すような不快感はありませんでした。都会特有の暑さなのかもと思いました。暑さには熱い曲で対抗・・・というわけではありませんが、今回はラテンの名曲、「Mas que nada」を取り上げてみます。この曲自体は様々なアーティストが取り上げています。テイストの違いが結構出るので、聴き比べるのも楽しいです。

私が最初にこの曲を聴いたのはSergio Mendes&Brasil '66が最初でした。もう21年以上も前のことですが、やはり7月の暑さの頃だった事は覚えています。前年に初めてのステレオコンポーネントを揃えていたので、CD購入意欲は高かった時期です。すっかり嵌っていたボサノバ路線のアルバムを探す中で、洗練されたSergio Mendesのサウンドに出会ってすっかり気に入ったというわけです。女性ヴォーカル二人の声質がフワッとしていて、Sergio Mendesのピアノの旋律の上を泳いでるような印象です。私の中では「Mas que nada」の原型は都会的で洒落ていて、聴くなら冷房の効いた部屋で飲み物と一緒に、です。


「Mas que nada」のオリジナルは、Jorge Benです。この事を知ったのはブラジル系のコンピレーションアルバムを通じてJorge Benの存在を知って以降のことです。本家の「Mas que nada」は骨太で押しの強さが魅力になっています。モノラル音源なので余計にそのような印象を受けます。Jorge BenやElis Reginaはブラジルでも絶大な支持を受けたアーティストですが、日本で有名なSergio MendesやAstrud Gilbertoが本国では案外だと書物で知りました。デビューアルバム『Novo』はほぼオリジナルで固められていて、作曲者Jorge Benの魅力も楽しめます。5曲目「Chove chuva」も後にSergio Mendesがカヴァーしています。


続いて「Mas que nada」を取り上げてるアーティストの作品から。以前に「Antonio's Song」でとり上げたAnna Caramの1996年のアルバム『Sunflower Time』に納められています。チェスキー時代のアコースティックな印象が強く、エレクトロ色には戸惑いも憶えましたが、颯爽とした「Mas que nada」を楽しめます。

今はラテン/ボサノバの曲はジャズにおいてもスタンダードの一角を占めるようになりました。ちょっとしたスパイスとして効きますね。だからアルバムでもライブでも好みのラテン系の曲が始まると嬉しくなります。Emilie-Claire Barlowはしばらく日本に来ていませんが、本国カナダでは活動しているようです。


最後はピンクマルティーニ&由紀さおりの『1969』です。これが話題なったのは2年前ですから、時が経つのはあっという間ですね。勿論、番外編ではなく、ちゃんと聴ける「Mas que nada」として紹介します。年齢を重ねた分、声に重みが出て、Jorge Benの原曲に相通ずる部分を感じます。


ところで「Mas que nada」の意味ですが、諸説あるようですが、ポルトガル語でいう「いいかげんにしてくれよ」「やなこったい」が曲には合致するようです。今は、この暑さ「Mas que nada!」といった感じでしょうか?今日もとても暑い日になりそうです。
コメント (2)
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