団地集会所入り口にこの春AEDが設置された。2回ばかり防災クラブ主催の講習があったようだが行けず、昨日、重い腰をあげて出席。心肺蘇生やAEDの使い方、7年ぶりに体験してきました。目の前で人が倒れているのに遭遇したり妻が浴室で気を失ったなどに遭遇したら迅速に対応できるか、身体で覚えてないとむつかしいに違いない。
10時、集会所前に集まる。子供も入れて30名ばかり。ご婦人の一部はすでに災害時の炊き出しを想定、カレー作りをされていた。重そうなテントの設営、元気そうなメンバーが実践、私は手袋も持ってなかったしそばで見ているだけ。
集会所にはいり、AEDの説明。最新のものは胸骨圧迫のスピードまでチェックしてくれる。もっと早くとかもうすこしゆっくりとか言ってくれる。救急車が到着してくれる8~10分の一時救命措置が生存率を倍増させる。肋骨が折れても命が第一だから臆せずやることと講師のkさん。気象庁OBで詳しい。
7~8年前、九博の研修で2度ほど体験したので現物を前にすると思い出してくる。子供や奥さん方のやってるのをみるとコツをつかむのには練習が必要と実感。AEDはすべて音声案内してくれるのでその通りやればいいとは言うものの、女性が倒れた場合、衣服をはだけて、乳房の左上や右わき腹にパッドをつけよといわれても男は躊躇するのではないか。
脳卒中などの予防→早期認識と通報→一次救命措置→救急搬送による二次措置の救命の連鎖をスムースにまわすことが重要。
<救命の連鎖>
1、連鎖の一つ目は各人が突然死を普段から予防する。子供を怪我や溺水、窒息から守る。心筋梗塞や脳卒中の予防、兆候把握。早期の診療をうける。心臓はどこにある?臍から20センチ上くらいの胸の中心部、握りこぶし大と考えておけばよい。この辺りの締め付けられるような痛みが15分以上続いたら血流停滞、心筋梗塞の前兆。
2、救命の二つ目の連鎖は早期認識と通報。
① 倒れている人の周囲の確認、自らの安全確認 ② 傷病者の肩をたたいて大声で呼びかけ反応確認、胸のあたりが上下するかをみて10秒以内に呼吸確認 ③ 反応がないことを確認して、周囲に大声で応援を呼ぶ。「人が倒れています、誰か来てください!」④ 来てくれた人たちに119番通報とAEDの調達を依頼(市の施設や学校などにある)⑤ 誰もいない時は自ら119番へ連絡。電話口で状況説明、対応を教えてくれる。
3、三つめの救命連鎖が、救急車が来るまでの一次救命処置、すなわち胸骨圧迫や人口呼吸などの実施。
<ポイント、勘どころ>
1、 発見と確認・・・倒れていても酔っ払いかもしれない。その場で立ち止まって、左右、上下の安全確認。上から落下物の可能性。車にひかれない? まずは自分自身の安全確認。その後、倒れている人の肩をたたきながらどうしましたか!
2、 呼吸チェック。口は見ない。心肺停止でも最初、わずかに呼吸するらしい。胸の上下を10秒以内で確認
3、 大声で助っ人依頼。知らんふりする人間多い。「すみません」ではダメ。「人が倒れてます。助けてください!!」大声で!
4、 あなた、救急車呼んでくださいではだめ。110番する人がいる。「119番で救急車呼んでください!目を見ながら依頼する」。返事を確認して!
5、 あなた、眼をみて、AEDご存知ですね、急いで探して持ってきてください。駅や市の施設、学校に行ってください
6、胸骨圧迫を開始。 倒れている人に直角にひざまずいて、胸の左右上下の真ん中あたりを手のひらを直角に両手であてて、胸骨を圧迫。1分間に100~120回、「もしもし亀よ亀さんよ」の童謡のテンポで5センチほど胸が沈むくらいに強く、はやく、絶えまなく圧迫。手のひらが胸から浮かない程度にすばやく戻しながら2分ほど実施。交代者を前にして、1,2,3の3で変わりましょうといって交代。代わるとき強く押しすぎないこと。10秒以上胸骨圧迫を止めてはならない。
7、 30回、胸骨圧迫のあと10秒以内の時間で人口呼吸の準備。人口呼吸用のマウスピースを口に押し込む。
8、 再度、30回圧迫をしたあと、顎を中指薬指で持ち上げ、気道を確保して、左手で鼻をつまんで、2回ほど空気を吹き込む。胸のふくらみが感じればOK。1~2回やって、10秒以内にまた胸骨圧迫。これを繰り返す。手元に感染防護具がなければ(家族などの場合OK)人工呼吸を省いても良いが子供がおぼれて心肺停止状態の時などは併用がのぞましい。
9、 AEDが届いたら、操作できますかと聞いて、できなければAEDを受け取って左わきにおいてケースを開け、電源をいれると音声案内が始まる。倒れてる人の胸が濡れているときはタオルでふき取り、張り薬がないか、あれば外して、ペースメーカーが埋め込まれている人はその部位をよけて、電極パッドをイラストに従って右胸と左わき下10センチくらいの張り付ける。毛深い人は付属品のカミソリでそる。パッドがしっかり張られるとAEDは自動的に心電図の解析を始める。この時は誰も倒れている人の体に触れてはいけない。
10、電気ショック開始(充電しています)の指示がでたら、誰も体に触れていないことを確認してショックボタンを押す。ショックの後はまた胸骨圧迫から心肺蘇生を再開。電気ショック不要の指示がでたら直ちに心肺蘇生を再開。
11、AEDは2分おきに心電図解析をはじめ、音声メッセージがでるのでそれに従う。
胸骨圧迫30回、人口呼吸2回の組み合わせの心肺蘇生を救急車が到着するまであきらめずに続ける。救急車が到着してもAEDはそのままの状態で隊員の指示がでるまで心肺蘇生を続けること。救急車が到着してホッとして心肺蘇生を中断しないことが重要。あとは救急隊員にお任せして救急病院で救命措置を施してもらう。
心肺停止後、8分で、現場で心肺蘇生処置をした場合、救命率は20数%、しなかった場合10%の救命の可能性確率。倍以上の差が出る。事故、急病はいつどこで起こるかわからない。多くの人がAEDの使用や心肺蘇生ができることが望ましい。たとえ努力むなしく亡くなられても心肺蘇生に全力を尽くした人がとがめられることはない。勇気をもって対処することが大事。という理屈を何回も練習して体得レベルにもってゆくことが求められる。
胸骨圧迫を1分100回レベルの速さでやると結構体力がいって汗ばんでくる。
そのあとKさんから南海トラフ地震と臨時情報について、台風のメカニズムと将来予測、能登半島地震と大規模水害についてレクチャー。
M7以上の大地震は約100年のうちに9回も発生、1944年末は太平洋戦争末期、大本営もみ消し、1946年12月M8、GHQがもみ消し。日向灘では5回も発生している。太平洋プレートがフィリピンプレートに毎年5センチくらい沈み込んでおりそれはひずみ計で確認できるとか。冬、深夜に発生すれば32万人の死者、238万棟崩壊。壊滅的被害。救援など期待できず、地震保険もアウト。各自で普段から備えるしかないが他人ごとの国民が多い。
台風も海面温度のみならず海底30mあたりの温度もあがっているとか。あらゆるところで発生する可能性がある。最大風速40mで屋根が飛び小石が飛ぶ。50mをこえるとたいていの木造家屋が倒壊する。
能登半島の地震と水害、土砂災害。1級河川の氾濫を防ぐために3級河川などの流れこみをとめると内陸氾濫がおこる。これは九州などにもそっくりあてはまり、筑後川の氾濫を防ぐために鳥栖久留米大牟田柳川など2~3級河川の氾濫をうみだす。我が家周辺も他人ごとではない感じ。
うちだけは大丈夫だろう、先のことを心配してもしゃあない!などという人が結構多いのではないかね。
南海トラフ地震臨時情報の発令もまあ一週間くらいは国民の皆様、災害列島で生活していることを少しはわがことと考えてできる範囲の準備はしてくださいよという政府のお願いのようですね・・・