年が明けて今日で50日弱、軽キャンにのって外に写真を撮りにでかけることがぐんと減った。パソコンのピクチャーやグーグルピカサに今まで撮った写真データがぎっしり詰まっている。ばっさばっさ削除するため外付けのハードディスクにコピーを残しているがその作業もなかなか進まない。去年と比べて増えたのが読書、図書館にいって借りてくれば無料で読める。完全リタイアから6年目、悠遊自適趣味生活を送る財源がつきかけてきた。株式投資で小遣い稼ぎもままならない。ちょっと外にでればお札は羽が生えたようにでてゆく。ライフスタイルのみなおしが必要になってきた。
ということで読書時間がふえた。
そして青春の門。筑豊編はおもしろかった。第二部の自立編。筑豊の思い出、義父塙竜五郎の庇護からもきっぱり別れを告げるべく早稲田大学に入学。学生演劇に夢をたくす緒方と出会い、居候をきめこみ大学生活がはじまる。ところが食っていくことが精いっぱいで自らの血を製薬会社に売るほどに困窮、授業にも出ずなんのために大学に入ったのか自らをせめる。結局は赤線の女たちとの出会い、居候先の娘たちとの交流、筑豊から出てきた織江との再会、変なボクシングコーチの家への寄宿、梓先生との再会、これらもろもろの女たちとの絡みをつうじて半年経過。織江は信介の前から姿を消す。噂では札幌で働いているらしきことを知る。そして冬の北海道へ働きながら地方発の学生演劇をつくろうとする緒方の誘いにのって北海道に渡る放浪編が第三部。
青函連絡船で函館にわたり、緒方の兄の紹介で地方新聞社の西沢をたずね、寝る場所、食う場所、バイトする場所などの世話をうけ北海道生活が始まる。働き、芝居の準備をしながら港湾にすくうやくざとの戦いがはじまる。緒方たちの「劇団白夜」はやくざとの抗争を続けながらも丸玉食堂の元アナーキストの親父の支援など受けて何とか公演にこぎつけるも結局、やくざや企業、政治との裏の暗躍の力で公演が押しつぶされる。失意のもと12名のメンバーは東京へかえってしまう。札幌にでて信介はバイトをしながら織江をさがし遂に再会。しばし織江と同棲をはじめる。ここでも信介はいったい自分は何をしているのか心の整理ができないで悶々とする。そして第四部の堕落編へとすすんでゆく。何のために大学に入ったのか、己の天職になるものをみつけるために入学した。しかし現実はどうだ?と信介は悩み続ける
まあ70を過ぎた私が悩める青春象を読んで何たることもないが私が京都の同志社大学商学部に入学したとき、どんな志を抱いていたのかと思うときわめてあいまいだったね。家業が社員20名たらずの町工場。漠然と家業を継ぐと思っていたのか。それなら在学中に税理士や中小企業診断士の資格を取るくらい勉強すればよかったのだが・・。ゼミの教授も専門は商工経営で診断士の資格審査の仕事などしておられたが結局なにもものにせず、卒業年の2月に家業が連鎖倒産してしまった。まあ甘ちゃんだったということだね。この物語の信介もまだまだ甘ちゃん!!!
第四部堕落編。やくざの英治と再会。織江は歌手を目指す。それぞれ別々に東京を目指す。再び緒方との生活。塙竜五郎が学費を入れてくれているのを知り愕然とする。1年から授業をやり直す。緒方が学生運動に埋没、さそわれて参加。米軍基地反対を農民と労組と学生が一体で闘争。闘志、成田との出会いで衝撃をうけ埋没してゆくが階級闘争の理不尽悲惨さを知りここでも命がけで戦っていない自分を知り結局離れてゆき自暴自棄になる。
信介さん、あなたは何をしてるんですか、いい加減にしなさいと言いたくなるね。織江は売れる歌手になれるかわからないがとにかく作曲家先生宅でお手伝いをしながら頑張っている。しかし五木寛之さんも83歳になって最近は抹香臭い本ばかり出しているが若かりし頃は男と女のからんだのを書いていたんだね。もっとも週刊現代の連載小説だから毎週、男と女の絡みややくざ抗争や刺激のある内容にしないと週刊誌が売れないからね。50歳で休筆して京都の龍谷大学にはいって仏教研究に入ってからだね。そして親鸞の執筆につながったというわけか。
さあ第五部の望郷編を図書館に借りに行くことにしよう!!