5月の誕生祝に娘からもらった図書券、つかってなかったのでゆめタウンの積文館へ。先日、テレビで先般なくなられた京セラ、稲森和夫さんのインタビュー画像をみて、あらためて140万部のロングベストセラーという「生き方」(人間として一番大切なこと)を購入、2日間で読了、やはり著者渾身の著作なのだろう。
27歳で創業した京都セラミックを世界の京セラに発展させ、巨人電電公社、NTTを相手に第二電電を創立、のちのKDDI、AUを育て上げ通信業界にくさび、さらには瀕死の日本航空を再建した稀代の経営者。きれいごとではすまないドロドロした経営現場があったはず。しかし中身はちがってました。わかってはいてもできないことの実践者、正しい心の経営者!?
テレビに映し出される稲盛さんの顔つきが観音様のように美しい印象をうけた。卑しい私利私欲の塊の経営者はあのような顔つきにはなれない。
人生、仕事の結果=考え方✖熱意✖能力であらわされ、考え方(理念、信条、心構え)が全てを決める。どのように考え日々を送るかが最重要。まさにお釈迦さまのおっしゃる「六波羅蜜行」(布施、自戒、精進、忍辱、禅定、知恵)と正しく考え行う「八正道」の愚直なまでの実践。
27歳で創業した時、経営のことはさっぱりわからなかった。とにかく人間として正しいことを貫こう。嘘をつかない、人に迷惑をかけない、欲張らない、自分の事ばかり考えない。幼少時、親や先生から教わったことを経営の指針に据え判断基準としたと。
人生は、人間がうまれながらにしてもっている「運命」という縦糸に、「因果応報原則」という横糸をどう織り込むかによって成否が決まる。善因善果、悪因悪果。結果が出るまでにタイムスパンがあるが正しい考え方の実践を継続蓄積すれば必ず良い結果につながる。この帳尻はかならずあう。運命は宿命ではなく、考え方行動で「立命」が可能。これを稲盛さんは65歳で名誉職に退き、得度をしてもらい仏門に入るまで愚直に信じ、実践して来られたというわけ。動機善なりや、私心私欲なかりしか!
敗戦後77年、日本人はひたすら豊かさをもとめ、欲望をみたしてきたが、今や少子高齢、低成長、格差拡大社会のなかで閉塞感に覆われている。いずれ人口100億になると予測されるこの地球、考え方を変えない限り人類の栖は逼塞し、人類は滅亡する。あれも欲しい、これも欲しいという考え方行動から「足るを知る」「富国有徳」の国づくりをせよと稲盛さんはおっしゃる。今の政治家にはむつかしいかもしれませんね。選挙に負ければただの人、選挙に勝つためには何でもやる・・のが今の政治家。
27日の国葬儀をテレビで見ました。菅前総理が官僚がつくった弔辞を棒読みするなど失礼なことを前回のブログで申しました。8年にわたって選挙にかちぬき政権を維持してきた総理、官房長官の刎頸の友としての弔辞、なかなかのものでしたね。安倍元総理も170か国の外遊など簡単にできるものではありません。大したものです。凶弾に倒れられたのは大変残念なことです。何十回と会っているプーチン大統領を停戦させ切らなかったのは残念ですが政治の世界は簡単なものではないのでしょうね。しかし元総理のビデオ紹介は民間経営者のお別れ会の演出と同じでどうかと思います。
武道館の外に一般人用の献花台。2万人ほど並ばれたとか。その横で国葬反対デモ。静かに弔意を示すべき葬儀が台無しですね。要するに反対デモの主張は自公一強政治で三権分立の原則を守らず行政でなんでも決めてしまう独善政治へ危惧からの行動かもしれません。コロナや震災で困っている国民もいるのに国会審議も経ずに16億の税金を勝手に国葬として使ってしまうことへの怒りなのでしょう。
40数か国の首脳と弔問外交を細田総理はしたようですが国葬を政治利用したと思われてはいけないでしょう。
いずれにしても稲盛さんのおしゃる正しい考え方と行動の日々実践。難しいことですが政治家も経営者も国民も一人でも意識をかえてやっていこうとまず決意することが大事でしょう。私も利他の精神で自宅周辺の清掃に精進することに・・・・