正月の輪島地震から9か月、復興も道半ばの状態で大雨、線状降水帯、土砂崩れ。復旧工事中のトンネルが土砂にうずまり、やっとこさ入れた仮設住宅の床上浸水。家が流され家族が死亡、言葉もない。これからどうする?開き直るしかないのか。折角、仮設で仕事を再開できた輪島塗職人、貴重な漆が浸水で使用不可に。馬鹿な現場リポーターが「今のお気持ちは?」とマイクをむける。「もう、涙も出ませんね」と淡々と。
災害大国にっぽんに住む日本人は制御不能な自然災害に対しては被災しても怒りをぶちまける矛先もないし半ばあきらめざるを得ず、国や役所の救援をまつしかないのだろう。
しかし、元日の地震被災者が入る仮設住宅団地6か所で床上浸水、うち輪島市の4か所が大雨洪水リスクが高い想定地域に立地していたらしい。入居された方々は入れた喜びが先でまさか床上浸水の危険性があるなど考えもおよばなかったに違いない。
まあ安全な建設予定地の確保がむつかしい土地柄であったのかもしれないが、輪島周辺は小さな川が数多くあり、急激な雨で氾濫してしまったらしい。今のプレハブ仮設住宅の建設技術からして大昔の高床式住宅などの発想で対応できないのか素人考えで思う。老人が多いから階段の上がり降りは大変かもしれないが。それならそれで早期避難誘導ができなかったのかなども思ってしまう。役所の防災対策部署の人材人員不足が多くの自治体で現実化しているらしい。
天災はどうしようもないにしても人災による被害の拡大は防がねばならない。東日本大震災による原発事故も原因は人災という説が強いらしい。原発の設計施工がGE任せで、非常電源がなぜ高台に設置されていなかったのかとか?
いつも我が家周辺を見渡して思うのは電柱と電線が蜘蛛の巣のように覆っているということ。景観もそこなうが地震で電柱が道路に倒れたら救援車、消防車が通行できない。火災などヘリによる消火しかない。東京の下町あたりは結構古い住宅が密集し電柱電線が空を覆っているところが多そう。高層ビルがいくら耐震構造であっても火の手は別のところから広がってくる。
今、大所高所から日本の地理地層分析をし、それこそ日本大改造をすすめないとえらいことになるのではなかろうか。それこそ防災省を作って腰をすえてやる必要があるのでは・・・
日本酒の品評会とやらで訪米中の岸田総理に対しX上では早く帰国して輪島の復興対策にあたれと文句が出ている。林官房長官も総裁選どころではなかろうと。戦後79年、高度成長とともに日本国中に道路網が張り巡らされ、電気水道ガスなどインフラが整備され、住宅が建設されたがすべてに老朽化が進み、インフラの再整備更新が喫緊の課題になっている。