平成最後の年の正月も早、終わり。昔は晦日正月と言って松の内に年始回りできなかった家に最後の挨拶回りをしたり、年越しそばを食べたり、各地でさまざまに正月を締めくくったらしい。いずれにしても妻と二人の老後年金生活は時のすすむのが早い。
数日前から「中野孝次の論語」を読み返している。この本は15年前に筑紫野ユメタウンの積文館で購入、今回で4回目の読了。知った、同感した、実行しているというレベルにはなかなかいってないことがわかる。
論語は2000年前に孔子が弟子と交わした対話録を後世、弟子たちがまとめたらしいが今とは時代、環境が全く違うと言いながらも人の生きざまは変わらない。この本は中野さん流の論語私論ということになっている。
1、 死は必然でありどうしようもないものだからそんなことに気をとられるのは愚かしいこと、今をしっかり生きること…楽しんでもって憂いを忘れる。
相続や遺言の話題が週刊誌をにぎわしているが、妻子が後処理に困らない程度の準備はしておきたい。その後は静かにあるがままに生きるしかないね
2、 江戸時代、論語が唯一最高の教科書であったのは日本にとって幸いなことであった。士曰く学んで時にこれを習う、また喜ばしからずや。朋有遠方より来る、また楽しからずや、人知らずして恨みず、また君子ならずや!
明治維新につながる指導者たちの精神的バックボーンだったのだろう。渋沢栄一など右手に論語左手にそろばんなどと言っている。現代の経営者たちがどれほどの教養があるのか?
3、 過ちはだれでもあるが、認めてあらためないのが真の過ち。
不祥事への政財界人たちの言い訳が見苦しい。
4、 しゃべりまくる人間は腹がない。信用すべからず。巧言令色仁少なしである。剛毅木訥が仁に近い。明石屋さんまが人気司会者No1にかえりざいたとか?!
5、 マスコミ情報や人の受け売りは自分の意見ではなく空虚なおしゃべりにすぎない。いまなんと早口でがさつなのアナウンサーやタレントがふえたことかネット情報をはじめあらゆるマスコミ情報にはまゆに唾をぬって聞くこと。同感です
(FZ300、4K写真から)
その他、4回目の読了で心にひっかかったことは以下の通り
6、 40歳で人にみとめてもらえていないとなると一意専心が足りないと思わざるをえないね。60歳では人に尊敬されるようになりたいものだ。学校の成績がまんべんなくいいものはすでにそれだけでダメなのである。なんでもできるというのは何もできないということと同じ。
再就職試験であなたは何が出きますか?はい部長ができます?!
7、 孔子の思想は忠恕というひとつの思想で貫かれていた。自分の良心に忠実で他人の身になって考えること。
8、 人を動かすのは真心のある言葉と慎み深い行動である
9、 古きをたずねて新しきを知る。温故知新。世の中に独創というものはない!歴史は連続と断絶によってなる。歴史に学べば先が読める。何が残り何が変わったかを見極める。
日本の教育において太平洋戦争前後の近代史教育が欠落しているような感じがするがどうでしょうか
10、 生涯守るべきことは自分がされたくないことを人にしなことである。己の欲せざるところを人に施すなかれ!
11、 人生の大事な時間を食い物の話にうつつをぬかしたり時間をさいて出かけたりする人間がろくな人間でないはずがないと孔子は言っているのだが・・・
まあ、朝食をたべながら妻と昼は何にする?と話してはいるがね。まさに生きるとは食べることではあるが・・
12、 人を見分けるには、その人間の日頃の行い、その動機、心を落ち着かしている場所をみれば大体、真偽がわかる。
13、 日々新たなり。人は一日一日心を新たに立て直して生きてゆかなばならない。己に勝ちて礼に復える。礼は心の根本。
14、 相手を敬することが災いを避ける正しいふるまい。慎み深い態度以上に人を安心させるものはない
15、物事を知っているだけの人はそれを好んでしている人には及ばない。物事を好んでしているだけの人はそれを楽しんでいる人には及ばない。
大坂なおみ選手が全豪決勝で第三セット、相手は超一流、この際テニスを楽しむことにしようと気持ちを切り替えたらしいが・・・
16、 万物流転。変化こそ常道。70にして心の欲する所に従って矩を超えず!
もう今年で74になってしまいます。じたばたしても仕方ないです。今の世の中、我慢できない、切れやすい人間が増えているようですが、10番目の「己の欲せざるところを人に施すなかれ」あたりの教育が幼少期から必要な感じがします。まあかくいう私もあらためて実践したいですね・・・