小石原、辰巳窯の陶芸家、長沼武久さんは家業を継ぐにあたって「陶の詩」をつくられた。誓いの言葉として覚悟を示されたのではないだろうか
「陶の詩」-ー私は地の神より体を、火の神より永遠の命を授かった。花を生け料理を盛り、そして何よりあなたの目をココロを楽しませよう、それが私に与えられた役目であり喜びなのだから。もしも私がその役割を終える時がきたならば、私は故郷であるこの大地で静かに眠りたい。あなたに愛されたことを誇りに想いながら・・・武久ーー
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昨夜は久しぶりに辰巳窯を訪れ、得難い時間をもてたためか頭がさえてあまり眠れず、酒のせいか蕁麻疹のかゆみがでたりしてあまり眠れなかった。4時半に12Vの湯沸かし器でコーヒー1杯分の湯を十数分かけて沸かしてモーニングコーヒをのみ、5時に車外に出る。2~3名のメンバーが窯の温度管理に携わっていた。
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1番窯の上に開いていた隙間から中を覗き込む。
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700度近くに昇した炎が窯入れされた素焼きの陶器にまるで襲い掛かるように永遠の命を封入しているかのように乱舞している。
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追い炊きで木材が投入されるたびに火の粉が舞い上がる。感動的なシーン。ルミックスのコンデジ、FZ300で中の陶器にピントを合わせて連写の嵐。夢中でシャッターを押す。
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窯の中の温度を確認するとセンサーが720度を示していた。
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最終的に1260度まであげていく。火の神の技が最高度に発揮され絶妙の色合いの傑作が誕生するよう陶士たちの戦いが続く。
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6時すぎ日がのぼり、朝焼けがまわりに広がる。
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7時過ぎ、メンバーが集まってきて朝食。薪にあたりながらの弁当、おいしい。さらに奥様が特製豚汁をふるまわれる。具沢山で実においしい。朝からこんなに食べるのは久しぶり。先生ご自身が自作のコーヒードリッパーでコーヒを皆にいれていただく。ありがたいことですね。
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先生に燃え盛り噴き出す炎を前に木材のほりこみ方を指導いただく。その瞬間を切り撮りたい。
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先生の動きが早くシャッタースピードが稼げない。被写体ブレ。炎が強烈すぎて真っ赤な色がなかなかでない。黄色に見える。シャッター優先でISOオートにしてブレを防ぐべきだったね。RAWで撮ってホワイトバランスをあとで調整して色合いを検討すべきだったかな
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屋根の上をみると黒煙が青空に吸い込まれてゆく。
そうこうするうちに今日の登り窯の交代メンバーが三々五々到着する。なつかしのIさん、あいかわらず自転車ツーリングで全国をまわっているとか、お元気で何より。
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昨夜の徹夜組と本日の担当メンバーへの引継ぎをかねてT会長リードによる朝礼。しっかりしたチームワークにより登り窯の温度管理をなしとげないと火の神は微笑んでくれない。T会長ほか徹夜組は9時過ぎ先生に見送られ帰って行かれた。私はシャッターチャンスをものにすべく10時ごろまで残らせていただく。
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引き続き温度をあげるべく薪が投入される。すごい炎が巻き上がる。油断すると眉毛が焦げたりするらしい。
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あの大木が燃え上がる火力はすごい。
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1番窯独自に薪が投入される。939度まで窯の温度があがってきた。
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下の窯からもさらに追い炊き。最終的に1260度まであげる戦いが続く。良い作品を作り出すため本日のメンバーの使命は大きい。
昨日15時から19時間、先生ご夫妻、ご家族の大変なおもてなしと気さくでユニークで多才な愛好会のメンバーの方々との交流、歓談、さらには満天の星とさえわたる月という大自然の恵み。すばらしい価値ある時間を過ごさせていただき大感謝。皆さんに感謝の意をお伝えして10時、辰巳窯を辞した。来週の窯出しですばらしい作品がでてくることを祈りたい!