初めての原爆投下国と被爆国リーダーがそろっての広島平和記念公園での被爆者戦没者慰霊。感動の献花、所感表明演説、被爆者との対話、ハグ。原爆投下、日本敗戦、アメリカ占領統治から71年にしてついに実現。オバマ大統領の真摯な人柄、品格、威厳を感じさせる。しかし戦争とはどだい理不尽なもの、殺すか殺されるか、当事国の工業力、資源力、武器開発力、軍人パワーなどで勝敗がきまる。しかし戦争にもそれなりの国際ルールがある。不意打ちはダメとか、一般市民をターゲットにしてはだめとか。第二次大戦はこのあたりに相互にルール破りがあった。真珠湾では意図とは反し1時間の時間差で米国民に日本の不意打ちと思わせてしまった。真珠湾第二次攻撃を日本はしなかった。これがアメリカをよみがえらせてしまった。
最初の1年は日本が圧倒的有利。以後の作戦ミスがなかったら日本は有利にアメリカとの和平交渉ができていたかもしれない。硫黄島玉砕、ガダルカナル敗北、空母喪失、サイパン玉砕、市民投身自殺、沖縄玉砕、市民十数万戦死、B29の日本主要都市30か所市民ともども焼夷弾じゅうたん爆撃焼け野原。そして広島、長崎原爆投下30万市民瞬殺。そして8月15日、玉音放送、終戦、敗戦。ソビエトに東日本分割される前にアメリカに占領された。悲惨な戦場は広島長崎だけではない、戦場のいたるところにあったのである。南京がどうだ、慰安婦がどうだという話、これも理不尽な戦争だということ。
ただ悪魔の兵器が注目されて広島長崎がある。核兵器は世界に今15000発ほどあるらしい。米ソがほぼ折半。米ソの溝がふかまり縮小交渉は頓挫。皮肉にもオバマ政権8年では縮小成果が少ない。常にオバマ大統領の移動には核戦争のボタンが押せる黒いカバンが随行されている。テロや何を考えているかいるかわからないリーダーが悪魔の武器を手にしたらいつ各弾頭がついたミサイルがワシントンや東京に飛んでくるかわからない。アメリカでも今なお巨額の金が核爆弾の開発に注がれているのも事実。大統領就任以来ずっとオバマ大統領は核なき世界の実現を訴え続けていた。理想と現実の大矛盾である。
共和党のトランプ氏が11月大統領選の指名を受けそう。謝罪さえしなければオバマが広島で何しようと知ったことではないとうそぶいている。日本も核武装すればよい。米軍の駐留費用を全額負担せよとわめいている。うかうかすると民主クリントンは負けるかもしれない。ことほど左様にアメリカの闇も深そう。世界は理性でコントロールできるのか、アインシュタインは人類の馬鹿さ加減は宇宙と同じくは果てがないと嘆きつつ亡くなった。
しかしながら互いに激烈な戦争をした日米が戦後71年同盟から友好国へと大転換し、ともに発展してきたことは今敵対している者にとってはひとつのモデルとして学ばれるべきではないだろうか。11月に退任後オバマさんはどんな行動を展開されるのか注目してみたいね。