12/6
「二日ほどそこに籠って浮舟と母との加持で騒いでいたり()」
「宇治院の近くに住める下司がいて僧都が泊まるを聞いて伺う()」
「その下司が言うには昨日葬送の御用があってこれなかったと()」
「そのうちに尼の病気も持ち直し方角もあき比叡に帰る()」
「初瀬寺の夢の話を持ち出して娘の尼は阿闍梨に加持を()」
「引続き面倒みればはや四月、五月も過ぎてもよくはならない()」
「丹精の甲斐がないのに当惑し僧都に頼む下りて助くを()」
「夜一夜加持をされれば明け方に取り憑くものを追い出しにけり()」
「物の怪は大姫君に取り憑いて死なせたことを打ち明けにけり()」
「浮舟は爽やかになり見回せば知る人もなく皆老法師なり()」
「今までのことをたどれば風の夜に死を覚悟して家を出たると()」
「そんな時大層きれいな男来て『さあ、来なさい』と誘われていく()」
「尼気味は全快待てど浮舟が『私を尼にしてください』と()」
「痛々しあなたを尼にできないと少し髪殺ぎ五戒を授く()」
「百年に一年足らぬ九十九髪われを恋ふらしおもかげに見ゆ(伊勢物語)」
「これほどに案じているに水臭いどこの誰だかおしえてくれと()」
「かくや姫見つけたという竹取の翁にまさる姫を得たりと()」
「この尼はある上達部の北の方一人娘を亡くされ給う()」
「流れゆくわれは水屑となりはてぬ君しがらみとなりてとどめよ(大鏡)」
「身を投げし涙の川の早き瀬をしがらみかけて誰かとどめし(#82)」
「われかくてうき世の中に廻るとも誰かは知らん月の都に(#83)」
「名にし負はばいざこととはん都鳥わが思ふ人はありやなしやと(伊勢物語)」
「ひたぶるに嬉しからまし世の中にあらぬところとおもはましかば(東屋での浮舟の歌)」
「二日ほどそこに籠って浮舟と母との加持で騒いでいたり()」
「宇治院の近くに住める下司がいて僧都が泊まるを聞いて伺う()」
「その下司が言うには昨日葬送の御用があってこれなかったと()」
「そのうちに尼の病気も持ち直し方角もあき比叡に帰る()」
「初瀬寺の夢の話を持ち出して娘の尼は阿闍梨に加持を()」
「引続き面倒みればはや四月、五月も過ぎてもよくはならない()」
「丹精の甲斐がないのに当惑し僧都に頼む下りて助くを()」
「夜一夜加持をされれば明け方に取り憑くものを追い出しにけり()」
「物の怪は大姫君に取り憑いて死なせたことを打ち明けにけり()」
「浮舟は爽やかになり見回せば知る人もなく皆老法師なり()」
「今までのことをたどれば風の夜に死を覚悟して家を出たると()」
「そんな時大層きれいな男来て『さあ、来なさい』と誘われていく()」
「尼気味は全快待てど浮舟が『私を尼にしてください』と()」
「痛々しあなたを尼にできないと少し髪殺ぎ五戒を授く()」
「百年に一年足らぬ九十九髪われを恋ふらしおもかげに見ゆ(伊勢物語)」
「これほどに案じているに水臭いどこの誰だかおしえてくれと()」
「かくや姫見つけたという竹取の翁にまさる姫を得たりと()」
「この尼はある上達部の北の方一人娘を亡くされ給う()」
「流れゆくわれは水屑となりはてぬ君しがらみとなりてとどめよ(大鏡)」
「身を投げし涙の川の早き瀬をしがらみかけて誰かとどめし(#82)」
「われかくてうき世の中に廻るとも誰かは知らん月の都に(#83)」
「名にし負はばいざこととはん都鳥わが思ふ人はありやなしやと(伊勢物語)」
「ひたぶるに嬉しからまし世の中にあらぬところとおもはましかば(東屋での浮舟の歌)」