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「この歌は131の異説なり重ねてのせる意味はあるのか
(或本の歌一首、マタ短歌)」
「家持が異説と言いて人麿の歌を重ねてだせる狙いはどこに
(この辺の扱いは家持の糾弾としか考えられない)」
「石見の海 角の浦みを 浦なしと 人こそ見らめ 潟なしと 人こそ見らめ
よしゑやし 浦はなくとも よしゑやし 潟はなくとも 勇魚取り 海辺を指して
柔田津の 荒礒の上に か青なる 玉藻沖つ藻 明け来れば 波こそ来寄せ
夕されば 風こそ来寄せ 波のむた か寄りかく寄る 玉藻なす 靡き吾が寝し
敷布の 妹が手本を 露霜の 置きてし来れば この道の 八十隈ごとに 万たび
かへり見すれど いや遠に 里離り来ぬ いや高に 山も越え来ぬ はしきやし
吾が妻の子が 夏草の 思ひ萎えて 嘆くらむ 角の里見む 靡けこの山(#2-0138)」「この長歌先の歌より律悪く伝承による歪み受けしか()」
「石見の海 竹綱山の 木の間より わが振る袖を 妹見つらむか(#2-0139)」
「微妙なる違いと見える歌なれど重ねて載せるは余程のことか
(歌体同ジト雖モ、句々相替レリ。因テ此ニ重ネ載ス)」