「『ち』というは不思議で力のあるものを指すことらしいい霊格のこと()」
「雷イカヅチや大蛇ヲロチや父もこの『ち』よりなれる言葉で霊格宿す(現代は父の権威も地に落ちた)」
「力とは『ち』と『から』に分けられて『ち』そのものを表すという()」
「乳房とは乳チが二つから成り立てる母乳はまさに命育てる()」
「たらちねは満ち足りた『ち』がでんとするさま(木の根も山の嶺も一緒)」
「爪なるは手足の終わりどんづまりその先はなし詰めというなり()」
「住吉スミノエの をづめにいでて 現ウツツにも おのつますらを 鏡と見つも
(をづめ:はしづめ、はしのたもと。万葉集ののろけの歌、住吉の歌垣に行って自分の妻がキラキラと鏡のように光っていた)」
「スサノヲが天を追放されるとき髭と爪とを切られ放たれる()」
「古代では髭や爪とは命なりそれを切られたスサノヲあはれ()」