モーツァルト

10/23
モーツァルトを車の中で聞いている。いつ聞いてもどの曲を聞いてもいい。なんとなく涙が出てきそうである。何でいいのか、なんで涙が出てきそうになるのかわからない。普通、泣けそうになるのは表面的には悲しいとき、嬉しいとき、悔しいとき等だが、そのどれでもない。聞いて悲しくもならないし、直接嬉しくもならない。しかし間接的に嬉しくと言うか幸せな気分になるのだろう。モーツァルトを聴いていると、このフレーズをもう一回繰り返すかな、とか、つぎはこの辺の高さの音を出してくるなぁ、とかを考えながら聞いてしまう。そんなときに突然に印象的なフレーズが飛び込んでくる。やっぱりモーツァルトはいいなぁ、などと思い、ふと気がつくと、どこかわからないが別世界につれてこられているのである。そこは真っ白な世界で、五線譜に描かれた音符がいろんな方向から斜めに走るのである。風を受けて白い透明なカーテンも揺れている。お花とか緑の樹などはない。ふと頭の中に浮かぶ透明の幻想が、涙腺のどこかを刺激している。ジーンという気分になる。モーツァ
ルト愛好家のアインシュタイン[物理学者ではない]は、『死ぬことはモーツァルトを聴けなくなることだ』といっているが、その気持ちもわかる。動機はどうであれ、モーツァルトを知ったことへの感謝、あとどれくらいモーツァルトを聴いていられるのだろうかなど、ぼんやりと考えている。

万葉集#4.0710

10/23
「み空行く月の光にただ一目相見し人の夢にし見ゆる
(安都扉娘子アトノトビラノヲトメが歌一首 #4.0710)」
「空を行く月の光にちらっと見たあなたの顔が夢に出てくる()」
「安都氏とはあまりきかない姓氏だがおまけに扉もおかしな名前()」

南田洋子さん逝く

10/22
「洋子さん目が可愛いくて魅力的演技も自然逝きて残念(享年76才)」
「認知症少しよくなる兆しあり番組で見て喜びたるも(死因は重度のくも膜下出血)」
「死に様も赤裸々なりし洋子さんまさに女優か非難はあれど(夫の長門裕之氏への非難)」

万葉集#4.0709

10/22
「夕闇は道たづたづし月待ちて行イませ我が背子その間にも見む
(豊前国トヨクニノミチノクチの娘子大宅女オホヤケメが歌一首 #4.0709)」
「夕闇は道も危うく月待ちて帰れば一刻一緒にいれる()」
「大宅女オホヤケメ豊前の人というからに九州の地でかよいし人か()」

原田康子さん逝く

10/21
「同人誌『北海文学』デビューした原田康子はさびしく逝ける(享年81才)」
「ガリ版で切りし『挽歌』は空前の売れ行きしめしいまも残れる
(新潮文庫で59刷とか)」
「わからぬもさびしい死にかたしたるとや供養に『挽歌』読んでみようか()」
「現都知事石原さんに水をあけベストセラーになりし『挽歌』は
(70万部/年 >> 『太陽の季節』は27万部/年)」