新型コロナ感染拡大を鑑みましてしばらくは過去の旅行記事をアップして参ります(という名目で遅アップ分の記事化を敢行していきます)
今回は今年2月に用事がありまして秋田県横手市に出かけた時の話(後編)
(前回の続き)横手市増田にて夜食の一杯を頂いた後は「道の駅 十文字 まめでらが~」にて車中泊を敢行。こちらはトイレが綺麗だしコンビニも併設されていて非常に助かります。
先ほど立ち寄ったマックスバリューで買ったお勤め品の惣菜をツマミに地酒をチビチビと頂きながらアイドルのブルーレイを見ているうちにいつしか夢の中に。これぞ車中泊の醍醐味です(?)
さて翌朝は好天。コンビニでコーヒーを買ってから今旅行の目的地でただいま「-追悼展- 矢口高雄 マンガ万歳 画業50年への軌跡」開催中(当時)の「横手市増田まんが美術館」に向かいます。
初めて伺いましたがなかなかのロケーションで良い場所に作りましたなー。土地代は安そうだけど町からそんなに遠くない絶妙なところにありました。
矢口孝雄さんの原画展は今年1月「石ノ森萬画館」にて「釣りキチ三平展(12/12~1/31)矢口高雄」を拝見(クリックで過去記事へ)して以来でしたが、あちらとはほぼ被らない良い展示でした。
原画展示は氏の幼少期から時系列に並べられており手塚治虫氏作品に触れて漫画に目覚めてでも最初は売れなくて釣りキチ三平で世に出るまでそしてそれ以降についてが紹介されていて見ごたえありました。
個人的に衝撃を受けたのは幼少時代の氏の母のエピソードだなぁ。こういう世俗民族感がそのまま氏の作品「ふるさと」「かつみ」辺りに色濃く反映されているんですね。
氏が当時描いた油絵も展示されていて奥様が綺麗な人だったことが伺えますね。奥様かつみさんですが盆踊りで有名な西馬音内(クリックで過去記事へ)に高雄氏が駐留していた銀行員時代、通学中の当時高校生だった彼女を見初めて(一目ぼれ?)知り合ったらしい。
ちなみに奥様は中学時代からお洒落な方で当時おかっぱ頭が当たり前だった中でも反発して長髪を通されていたくらい反骨心の有る方だったようです。
かくいう高雄氏もなかなかに頑固な方でふるさと愛に溢れたこんなエピソードも紹介されていました。内容が中々に辛辣なお話ですが公開OKして下さる関係者方の懐の深さに感謝。
さて原画展に戻りますがこの今にも動き出しそうな雀の描写とか躍動感が素晴らしい。自然を描くことに関しての情熱量は数多ある絵の上手い漫画家さんの中でも氏の独壇場だったような気がします。
「一輪の野の花を誤魔化さず」なるほど…、納得。全て氏の努力の賜物なのでしょう。
今回の展示会は終わってしまいましたがまたいつか矢口高雄氏のイベントがきっと開催されると思いますので、実際に氏の作品を生で見に行かれることをオススメしたいと思います。来て良かった。【終了】-追悼展- 矢口高雄 マンガ万歳 画業50年への軌跡 – 横手市増田まんが美術館
さて秋田が誇る自然派天才漫画家のお宝を拝見した後は、横手駅前に移動して老舗「パン工房かつた」に伺います。
メロンパンがあるかなーと思って来てみましたが残念ながら無くて、でも代わりに名物「シューパン」というものが有りましてこちらカステラ生地にバタークリームをサンドしてチョコレートをかけたパンでこれは美味しいに違いない。
総菜パンも名物だそうでツナマヨパン他いくつか複数個を購入です。老舗のパン屋さん良いですね。またいつか来てみよう。
さてせっかく秋田に来たのでお昼はラーメンを頂きたい。
この辺のご当地ラーメンと言えば矢口高雄氏も秋田に帰ったらいつも食べていたという十文字ラーメンが有名ですが、
# ちなみに並列で書かれている”三平ラーメン”とは「三平そば」の事のようです。
今回は十文字ラーメンの人気店「名代三角そばや」に行ってみます。十文字本店が定休日だったので今日は横手にある支店の方「名代三角そばや 横手店」に行ってみます。
それにしても雪が多い。除雪された雪が側道にうず高く積まれていて店舗の前にバス停があったんですが見事に雪に埋もれていますね。これバス停から車道に出られないしバス来ても見えないし一体どうやってバスに乗るんだろう?(^^;
それでも道路や駐車場は綺麗に除雪されてて車で来る分には何も問題なかったです。今日は晴れてたけど積雪の日はお店の人も大変だろうなぁ。
さてメニューは中華そばとトッピング類のみ。夏は冷しをやるらしいですけど基本スープは1種のみという事になりそう。とろろこんぶとか秋田っぽいですね。入れてみたかったけどスープの味を見たかったので今日は冒険せず普通に頼んでみます。
油浮きのほぼ無い端麗系のスープが美しいですね。
早速のスープですが醤油ダレは配合が極控えめで塩気もかなり薄いです。
味醂系の甘さも抑えてありややストイックな作りの中に陸奥湾特産の焼干しを主体とした和出汁が上品に漂っており不足無い旨味を感じさせてくれてます。
ラーメンにお麩が載るのは秋田県と青森県の一部地域で見られる珍しい文化ですが、このお麩にスープをしみこませてハフハフと頂くのがまた良いんですよね。熱々なのでヤケドに注意を。
麺は十文字ラーメンでよくある強い手もみの縮れ細麺が合わせられます。かんすい不使用との事でやや柔らかめな食感が優しいスープによくマッチしています。
チャーシューは火の通りが良く少し固めのかみ心地。オーソドックスなナルトと共に郷愁を感じさせますね。
さて「名代三角そばや 横手店」ですが土日など常に行列が出来ていた人気店ですけれども平日の日中14時頃でコロナ禍という事も有って空いている中でのんびりと頂くことが出来て良かった。逆にそれだけ営業が大変という事とは思いますが、老舗の味を何とか守っていってほしいところです。ごちそうさまでした。