映画「キャロル」:ニュアンスに富んだ眼差しを捉える高度な技術 2016年02月28日 09時16分57秒 | 映画(新作レヴュー) パトリシア・ハイスミスの著作の中で,これまで唯一邦訳がなかったという原作の舞台を,現代に置き換えることなく1950年代初頭のニューヨークのままで撮り上げるというのは,制作チーム全員にとって大きなチャレンジだったはず。 トッド・ヘインズのそんな芸術的なチャレンジを見事に成功に導いた最大の原動力は,ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラという,芸歴だけを柔道の重量別階級で喩えたならば,無差別級と軽量 . . . 本文を読む