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コンサドーレ札幌VS川崎フロンターレ【0:2】点数に現れない大きな差

結果的に前・後半の立ち上がりに,カウンターからチョンが決めたシュート以外でゴールネットが揺らされることはなく,淡々と試合は終了したが,両チームの力の差は,目眩がしてくるほど圧倒的だった。
アウェイを意識して,リスクと体力に配慮し,無理して攻め込まず,しかし確実に勝ち点を積み上げるという戦い方とはこれだ,という見本を見せつけられた札幌イレブンのショックは,大きいに違いない。

中村憲剛の優雅なボール廻しと多彩なキックの技術。負傷上がりとは思えないジュニーニョの鋭い動きと広い視野。そしてチョン・テセのストライカーとしての嗅覚。正に真のプロと言える高い技術を持った前線の選手同士のコンビネーションと,供給役とのあうんの呼吸は,敵ながらため息が出るほど見事だった。
更に,シャドーストライカーとして動き回る大橋の運動量,サイドで起点を作る山岸の落ち着き。そしてボランチやサイドとの連携によって,中山と石井を押さえ込んだ3バックの圧力。どれを取っても,アジアで闘うチームのレヴェルを肌で感じさせる迫力があった。

一方のコンサドーレは,とにかくボールが落ち着く場所が,広いピッチの中でクライトンの周辺3m前後のみ。
特にバックラインのボール廻しで,プレスを受けては慌てて目標の定まらないフィードを繰り出すか,余裕のある場面でも何故か正確性を欠くダイレクトパスによってすぐにボールを失うことを繰り返し,最後までリズムを掴むことが出来なかった。

失点は,いずれもCB2人のポジショニングとカバーリングに問題があったと思う。CBの距離が空いたところを常に狙っている強力なアタッカー2人を前にして,少なくとも1点目と同じような展開から決められた追加点だけは,どうにか防いで欲しかった。サイドとの連携も含めて,チームの生命線であるDFラインについては,再構築が必要だろう。

それでも前半25分にはサイドバックの坪内が攻め上がって相手を振り切り,後はゴール前に詰めていたFWのどちらかにグラウンダーのパスを出せば良い,という場面があった。しかし坪内のクロスは何故か浮き球となって遙かファーサイドに飛んで行ってしまい,同点に追い付くことは叶わなかった。

その5分後,FKからの折り返しを決められなかった石井も,後半25分にスローインから砂川が繋いだパスによってGKと1対1になった岡本も,フロンターレのアタッカー陣と比べると,2人とも試合慣れしていないというハンデを考慮しても,技術的なビハインドは大きすぎた。
此処で言う「技術」には,勿論「視野」や「落ち着き」,「状況判断」という要素も含まれる。そして多分試合を決めるのは,そういった要素の方なのだ。

しかし幸運にもまだ4試合という時点で,かつてのライヴァルの成長振りを目の当たりにした収穫は必ずあるはずだ。
修正すべき,かつ出来る(これが大切だ)点をしっかりと見極めて,前を向いて貰いたい。アウェイでもう一度当たれるんだという思いを枕に,しっかり「屈辱」という肝を舐めて,はばたいてくれ,西!
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