子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

J2リーグ第38節 コンサドーレ札幌 VS FC東京【2:1】

2011年12月03日 15時06分15秒 | サッカーあれこれ
J1への昇格がかかった天王山の最終節。前から積極的にプレスをかけて,意地と勝利への執念を見せるかと思われたチャレンジャーの札幌だったが,試合開始直後から日本代表経験者を6人揃えたチャンピオン・チームの流麗なボール廻しに圧倒され,これ以上下がったらゴールラインを割ってしまうのではないかと懸念されるくらいDFラインを下げてしまった。
宮澤はいつものようにバイタルエリアでは全くと言って良いほど守備的な仕事が出来ず,せっかく奪ったボールも,最初のパスをカットされてはそこから逆襲を受けるという展開が続き,失点は時間の問題かと思われた。

そんな状況を打破したのは,古田と近藤の勇気と,それに応えた内村の気迫だった。
特に2トップ二人だけでDFラインを完全に分断して奪った2得点目は,間違いなくJ1並のスピードと技術を披露したプレーだった。負傷上がりと言われていた内村が,エースと呼ばれるに相応しい仕事をしたことで,チームの士気がFC東京相手に先制したという事実以上に上がったことは間違いない。

だが,そこからが長かった。後半メンバーを二人替えてきた東京の連携が整うまでの,立ち上がりの時間帯こそ札幌がポゼッションを高めたが,一旦ペースが出来上がるとセカンドボールは全て拾われるようになり,32歳とは思えない運動量を見せるルーカスを中心に,徹底的に攻め込まれた。
これに対して札幌は,河合と共に実質的なチームMVPと言えるイ・ホスンを中心に,ベタ下がりのDFラインのまま,出所を抑えるという攻撃的な守備はせずに最終アタックだけを防ぐという「典型的J2仕様」のディフェンスで対抗し,谷澤にミドルを決められたものの,虎の子の1点差を守りきった。
上述した河合は勿論のこと,シーズンを通して活躍した山下,そしてまだ高校生ながら玉際の強さを見せた奈良ら,DF陣が守り抜いて勝ち取った昇格を象徴する試合だったと言える。

来季はU-18からチーム史上最多となる5名の選手がトップ昇格を果たす。資金不足が続く中,どう戦力を整えてJ1チームに対抗していくのか,来季の指揮官(多分石崎監督の続投と思われるが)に課せられたミッションは重い。2001年以来二度目の「残留」という想像以上に高いハードルをクリアできるかどうかは,彼らの飛躍的な成長と同時に,かつて他チームから羨まれるほどの成果を挙げたブラジル青田刈りの再臨,そして何より4万人近い観客が詰めかけた今日の興行を日常化することによる資金面の強化が出来るかどうかにかかっている。
でも今日だけは鬼には笑わせず,みんなで京都に並ぶ4度目の昇格という,ビッグ・クラブでは決して味わえない歓喜に酔いたい。本当におめでとう!


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