前半終了間際に決められた同点被弾が全てだったかもしれない。1点をリードしたままロスタイムも終わりに近付いた段階で,札幌がボールを保持。どうみてもそのままホイッスルが鳴らされるのを待つべき状況で,不用意に前線にフィードしたボールは,案の定FWに渡ることなくカットされてしまった。そのまま右サイドを破られて,最後は小川のヘディングが美しい放物線を描いてゴールに吸い込まれるのを見届けた時点で,敗戦は決定付けられていたと言っても過言ではないだろう。この日の戦い振りを観る限り,やはり札幌が「J1に残留する」という今年の目標を達成することは,限りなく困難であると認めざるを得ない。
1対1ではことごとく負け,ボールのエレガントな廻しと支配という点でも圧倒的に差を付けられていた。それでも後半は,1万3千人を割ってしまったとは言え,水曜日に行われたルヴァンカップの4倍弱のサポーターが詰めかけた場内に絶叫がこだまするような決定機を幾度も作り出していた。
都倉は相手のDFラインを出し抜いて,2度GKと1対1の場面を作り出した。右クロスに合わせたボレーも含めると,3点は取っていなくてはいけなかった。
更に悲嘆の声がドームの天井を揺るがしたのは,交替で入ったマセード(久しぶりに素晴らしいプレーを見せていた)が終了間際に右サイドを深く切り込んで入れたマイナスのグラウンダーを,どんぴしゃのタイミングで合わせながら,見事に枠を外した宮澤のシュートだ。ここまで来るともう,お決まりの「精度を高めなくては」という空しい台詞による弁解は勘弁願いたい。
攻撃のキーマンとなるべき福森も菅も早坂も次の展開をまったく読めずに,神戸の速い寄せにあたふたしてはミスを繰り返していた。河合は都倉への素晴らしいロングフィードはあったが,2つの失点は横山共々スリーバックを選択した指揮官の期待を裏切るものだった。サイドバックが上下運動を繰り返しては,攻撃に厚みを持たせていた神戸との差は,個々の技術だけでなく,体力,インテリジェンス,気迫全ての面で得点以上に大きなものだった。
ここから折り返しまで残る試合の相手は鹿島,柏,清水。過去の例から見て,この3試合で2勝して勝ち点を18まで積み上げないと残留は難しくなるが,果たして来月合流する予定のチャナティップ・ソンクラシンはその切り札になってくれるのだろうか。奇跡よ,いずこに。
1対1ではことごとく負け,ボールのエレガントな廻しと支配という点でも圧倒的に差を付けられていた。それでも後半は,1万3千人を割ってしまったとは言え,水曜日に行われたルヴァンカップの4倍弱のサポーターが詰めかけた場内に絶叫がこだまするような決定機を幾度も作り出していた。
都倉は相手のDFラインを出し抜いて,2度GKと1対1の場面を作り出した。右クロスに合わせたボレーも含めると,3点は取っていなくてはいけなかった。
更に悲嘆の声がドームの天井を揺るがしたのは,交替で入ったマセード(久しぶりに素晴らしいプレーを見せていた)が終了間際に右サイドを深く切り込んで入れたマイナスのグラウンダーを,どんぴしゃのタイミングで合わせながら,見事に枠を外した宮澤のシュートだ。ここまで来るともう,お決まりの「精度を高めなくては」という空しい台詞による弁解は勘弁願いたい。
攻撃のキーマンとなるべき福森も菅も早坂も次の展開をまったく読めずに,神戸の速い寄せにあたふたしてはミスを繰り返していた。河合は都倉への素晴らしいロングフィードはあったが,2つの失点は横山共々スリーバックを選択した指揮官の期待を裏切るものだった。サイドバックが上下運動を繰り返しては,攻撃に厚みを持たせていた神戸との差は,個々の技術だけでなく,体力,インテリジェンス,気迫全ての面で得点以上に大きなものだった。
ここから折り返しまで残る試合の相手は鹿島,柏,清水。過去の例から見て,この3試合で2勝して勝ち点を18まで積み上げないと残留は難しくなるが,果たして来月合流する予定のチャナティップ・ソンクラシンはその切り札になってくれるのだろうか。奇跡よ,いずこに。