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クラブW杯 最終日:あと1回というのは名残惜しい

10日間にわたる大会が幕を閉じた。これまでになく実のある10日間だったと思う。3位決定戦という通常であれば余録と思われている試合が終わった瞬間,両チームに号泣する選手がいたことが,大会の空気を物語っていた。アジアのチームが初めて3位になったことも,ACミランが17年振りにクラブNO.1になったことも含めて,大会のパッケ-ジに中身が伴うようになった,と言えるのではないだろうか。

浦和は非常によく頑張った,と思う。山田をトップ下に入れた布陣が,トップと中盤の乖離の原因と見るや,長谷部と細貝と山田のポジションを入れ替え,コンパクトにラインを整備し直した指示も的確だった。
結局はワシントン頼みだったということは否めないが,それでも守備の健闘は褒め称えられるべきだろう。特に解雇が決まっていたネネの健闘には,プロ魂を見た思いだ。

ただ,相馬の精度の高いクロスを見た関係者は,それでも三都主を戻す気持ちに変わりはないのか聞いてみたい。確かに過密日程となるACL(アジアチャンピオンズリーグ)への挑戦には,選手層の確保が大切だが,逸材を伸ばすことはもっと大きな目標への近道のはずだ。
その意味で,怪我とはいえ,田中達也に世界の壁へのチャレンジ権が与えられなかったことは残念だ。ただレッズの躍進により,国内組の若手にとっては最高の檜舞台となるこの大会が,夢から現実の目標になったことは間違いない。

決勝は,両チーム共にスピードの切り替えの重要性を存分に見せつけ,3位決定戦とは一段レヴェルが違うボール廻しで楽しませてくれた。
特にカカのドリブルは別格だった。進路が読めないボール運びを,トップスピードのままで行う技術は,ボカのDFでさえも幻惑し置き去りにしていた。坪井も落ち込むことはない。

ピルロのとんでもなく広い視野と,ノンステップで30m程度の距離を正確に通すキックの技術にも舌を巻いたが,一方でボカの2トップ,パラシオとパレルモのポジショニングとシュート技術,DFイバラのミドルシュートにも驚かされた。欧州には負けないという矜持は,今後もこの大会を盛り上げる最大のエンジンとして機能することだろう。

来年春に,2009年と2010年の開催地(同一)が決まるということだが,既にポルトガルやオーストラリア等が立候補し,FIFAのブラッター会長も「いろいろな国で開催されることが望ましい」と発言していることを勘案すると,おそらく日本開催は来年が最後になる可能性が高い。しかし,日本のチームが出場することによって,大会がここまで盛り上がることが証明された以上,2009年以降も形振り構わず,協会以下関係者が一丸となってACLを獲りに行くという姿勢は見せ続けて欲しい。
勿論,日本の選手達が「いつか必ずあの優勝トロフィーを取るんだ」と本気で思うようになることが,最も大切なことではあるが。
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