子供はかまってくれない

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J2リーグ第34節 コンサドーレ札幌対鹿島アントラーズ【0:1】:連覇には訳がある

2008年12月06日 17時55分17秒 | サッカーあれこれ
昨年の最終節,最下位でJ2降格が決まっていた横浜FCが,優勝をほぼ掌中にしていたレッズを1:0で下した劇的な試合の再現を期待したのだが,今のコンサドーレ札幌にはそんな奇跡を起こす力はなかったようだ。1位と18位の間に存在する力の差は1点差という見かけの結果以上に大きく,誰の眼にも明らかな隔たりを埋めるために必要な年月の長さと労力の量を思って,札幌サポーターが吐く溜息は深い。

優勝を前にして普段通りのサッカーが出来なかったアントラーズだが,前線の3人のコンビネーションと激しい守備は圧倒的だった。唯一の気懸かりだったダヴィを完全に孤立させた時点で,もう勝利は確実だと踏んでいたはずだ。
中盤で上手くボールが廻らず,2トップと中盤のポジションチェンジもスムースとは言えなかったが,それでも主導権を手放さずに攻め続けられた理由の一つには,中後と青木で組んだドイスボランチの激しいアプローチが,最後まで途切れなかったことが挙げられるだろう。
その点は札幌のボランチ,西と上里の二人が,攻撃面での技術とセンスはともかく,守備面では中途半端なアプローチのせいで殆どボールの出所を抑えられずに,結果的にチーム全体が苦しむことになったことと対照的だった。

しかし今日一番の驚きは興梠だった。速くてリズミカルな動きは一瞬も途切れることなく,マルキーニョスとのコンビで山のようにチャンスを作り出したプレーは,柳沢と田代からレギュラーの座を奪ったことが納得出来るレヴェルに達していた。
前線でのプレスも献身的で,これなら代表でもW杯予選中に玉田とのツートップを確立できるのではないかとさえ思えた。

札幌では,前半の藤田の動きが目を惹いた。もともとクロスの精度には定評があったが,縦へ抜ける動きと動きの総量という点で,これまでは注文をつけざるをえないプレーが多かった。
しかし(当面のところ)J1最後の試合となった今日は,一皮剥けたように何度も縦で勝負を仕掛け,角度のないところから強いシュートを放っていた。こうした積極性が常時出せるようになれば,来季の攻撃の核として充分に期待できそうだ。

尋常ではないキック精度を誇る上里,素速い動きで相手DFを翻弄できる岡本らを含めて,J1チャンピオンになるということはこういうことだ,という事実を生で見て感じた選手たちが,どんなチームを作るのか,雪の中で一冬眠る芝生と共に,ゆっくりあせらずに待ちたいと思う。


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