子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

ACL決勝トーナメントQ.F 名古屋グランパス VS 川崎フロンターレ【3:1】

2009年09月30日 22時06分41秒 | サッカーあれこれ
韓国Kリーグの代表2チームはきっちりと試合が分かれたのに,Jリーグの2チームはどうしていきなり対戦しなければならないのか。J主導で改革が進んだと協会関係者が胸を張る新方式のアジア・チャンピオンズ・リーグ元年。多くのJリーグ・サポーターと同様に,憤りと共にTVで観た準々決勝だったが,ストイコビッチ監督が試合後のインタビューで「VERY HIGH QUALITY!」と賞賛したとおり,実にスリリングな素晴らしいゲームとなった。空席が目立った瑞穂のスタンドで,濡れ鼠になって観戦したかったくらいに。

1回戦はホームの川崎フロンターレが2:1で勝ったため,1:0,若しくは2点差以上の勝利が必要となったグランパスの攻撃がまず火を噴いた。
先制点となった小川のミドル・シュートは,打ったタイミング,シュートのスピード,そしてコース,そのどれもが同日行われているヨーロッパCL基準に達していた。アウェイゲームで,中村憲剛のFKをよけて失点してしまったミスを帳消しにしてなお,お釣りの来るようなスーパーゴールだった。

2点目の吉田のゴールは,アレックスの正確なFKと結果的に囮となったケネディの動きとのコラボが生んだものだったが,2点差となったこの時点で,名古屋がこのまま逃げ切ると考えた観客はグランパスのサポーターの中にもいなかったに違いない。

案の定,川崎の強力3トップはその3分後に名古屋ゴールに襲いかかる。中央を突破したレナチーニョのグラウンダーのスルーパスを鄭大世が確実に決めて,2試合合計で振り出しに戻す。
名古屋は,前半終了間際にアウェイゴールを許したことで,一気に厳しい展開に追い込まれてしまう。もし試合終了までにもう1点入れられれば,アウェイゴールで劣る名古屋は2点を奪わなければ敗退が決まってしまうのだ。

後半は一進一退が続くうちに,中盤が徐々に間延びしていく。しかし両チーム共に最終ラインの集中力は途切れることなく,フィニッシュをフリーで打たれる場面は,20分のケネディの左足シュート以外は殆どなかったが,とりわけ名古屋ディフェンスのアプローチの速さと粘り強さは驚異的だった。ロングシュートを持っている中村憲剛が,何度も相手ブロックに身体ごと弾き返されていた姿が印象的だった。

そんな名古屋DFの頑張りは後半40分に報われる。
それまでも何度も右サイドの上り下りを繰り返していた田中隼磨のクロスに,中盤で奮闘していたマギヌンが合わせてシュート,これを川島がファンブルした所にケネディが詰めて,見事に決勝点を奪った。

川崎はカタールの主審からのプレゼントとしか思えない,長い4分のロスタイムを活かせず,2年前と同様にQ.Fでの敗退となった。3トップ+中村憲剛という強力な前線に,バックと谷口の攻撃参加が迫力を加えられなかったこと,そして何よりも後半開始直後に巡ってきた,数的優位のカウンター攻撃を決められなかったことが響いた。

名古屋はアルイテハドかパフタコールとの対戦となる。出来ればJチームの3連覇を成し遂げ,今年はUAEで行われるトヨタカップに出場して,ストイコビッチの名古屋ここにありを示して欲しいところだが,この際贅沢は言わない。とにかく次のS.Fだけは死にものぐるいで勝ち抜いて,何としても東京で行われるファイナルに進んで欲しい。
日本の社会的には全然表に出て来ない,しかしアジアのサッカーの地位向上にとってはW杯並に重要なこの大会が,少なくともナビスコ杯程度には盛り上がるよう,声援していきたい。FORZA しゃちほこ!


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