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2010年TVドラマ春シーズンレビューNO.4:「月の恋人 Moon Lovers」

恒例になりつつあるフジの「遅出しジャンケン」のドラマ・スタートだが,今期は木村拓哉のラブ・ストーリー「月の恋人」が,ほぼ1ヶ月半というタイムラグで始まった。
相手役は産休明けの篠原涼子,既に月9のヒロインは経験済みの北川景子に,「レッド・クリフ」シリーズで日本の「歴男」たちをノックアウトしたらしい(私は未見)リン・チーリン。豪華なのかどうかは判然としないが,何となくボール廻しだけは得意だが,決定力には欠けるサッカー日本代表の中盤みたいな感じがする。でも,3人がうまく絡めば,化けるかもしれないという期待感は漂っていたかもしれない。私はあまり感じなかったけれども。

躍進中の家具メーカーの若手社長が,幼馴染みのデザイナーとライバル社の令嬢でモデルの美女,そしてとびきり美しい上海娘と繰り広げるラブ・アフェア。うーむ。これが,暗雲が空を覆い尽くした2010年に生きる,日本の視聴者が観たいお話なんだろうか。グローバル(こういう場合はボーダーレスと言う方が相応しいのだろうか?)化した社会を,切れる頭脳とクールな判断で乗り切ってきた「格好良すぎて嫌な奴」が,思いもかけず恋で躓く,という展開は特に目新しいとも思えないし。キムタクがコインを4つ並べて「これ何に見える?」という台詞(脚本は浅野妙子「ラスト・フレンズ」)を口にする度に,私はげんなりしてしまったのだが,初回視聴率22.4%という数字を見る限り,こういうお伽噺(こそ?)が待ち望まれていたと考えるのが一般的な評価なのだろう。

どうやら一番割りを食いそうな役を,飛ぶ取り落とす勢いの北川景子が良く引き受けたなぁとか,「愛のむきだし」以来出演した作品全てが話題を呼んでいる満島ひかりをこんな端役で使うのかぁとか,感心するところは幾つかあった。
だが,GWにWOWOW製作の連続ドラマ「空飛ぶタイヤ」を遅ればせながら観てしまい,我が国のドラマ作りの水準がこんな高みに達していたのか,と考えを新たにしてしまった以上,このレベルで「初回だけで撮影に1ヶ月かけました!」と言われてもなぁ,というのが正直なところだ。
次の主席と言われる習近平以降の中国の出方や,国内格差の問題などにまで手を広げてみせた上で,華麗なる四角関係(いっそのこと松田翔太も入れて五角にしてしまうか)を展開して見せるくらいの胆力を,フジテレビは見せて欲しいところだ。
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