札幌ドームに徒歩10分の所に住んでいる道産子でありながら,稲葉ジャンプを経験したことがない私だが,今年の日本シリーズは楽しませてもらった。
最終戦となった第6戦も,最後は一打同点というところまで粘りを見せ,「つなぐ打線」の本領を発揮したと言えると思う。2度チャンスが回って来たクリーンアップの3番と4番が,いずれも3振に倒れて得点には至らなかったが,シーズン終盤に下降線を描いていたチーム全体の状況から見れば,大健闘のポストシーズンだったと思う。
ただ勝てるチャンスは充分にあったようにも見えた。野球に詳しい方が見れば,様々な分岐点を指摘されるのではないかと思うが,一つに絞るとすれば私は第4戦の投手起用を挙げたい。
それは,日本ハムが猛打で8対1とリードを大きく拡げた場面だった。それまで好投してきた先発の八木,2番手の建山に続いてマウンドに登ったのは,楽天とのクライマックス・シリーズと日本シリーズ第2戦に好投し,セットアッパーの柱になりつつあった金森だった。
中継ぎの勘を鈍らせないための調整登板だったのかどうかは分からないが,どう考えても接戦を凌ぐための「中継ぎエース」が出てくる場面ではなかったはずだ。
それでも金森が気持ちをきちんと整理して,新たな気持ちで,どうにか1イニングを抑えてくれれば問題はなかったのだが,案の定,走者を溜めてラミレスに3ランを浴び,1回保たずに降板の憂き目にあってしまった。
投手のメンタルは極めて微妙で,大差が付いた場面で抑えられなければ,緊迫した場面は任せられない,というものではないはずだ。よくクローザーが「2点差よりも1点差の方が良い投球が出来る」というコメントを発するが,7点差で投げさせられた金森が,1点リードや同点の場面と同じモチベーションと緊張感で臨むことは,至難の業だったに違いない。
結局「1点リードの8回裏」という真に金森が出てくるべき場面は,翌日の試合で出現した。前日,手痛い一発をくらった金森はこの場面で起用されることはなく,悪い予感は当たって,ファイターズはシリーズの流れを手渡してしまうことになった。
首脳陣にとっても,金森にとっても,辛く耐え難いシリーズになってしまったが,若い金森(ついでに言えば左対策のワンポイントにされて,少し腐っていたように見えた宮西も)はこの経験と屈辱をバネに,是非とも立ち直って欲しい。
どう考えても「それはないでしょう」という手を打つのが好きな首脳陣が変わらない以上,選手は結果を出し続けるしかないのだから。
ついでに一言:ゴンザレスは,フォームも投げ終えた後の格好も元ロッテの伊良部にそっくりなので,秘かに「そっくりさん大賞」を上げようと思っていたら,我が家の三男が小谷野を見て「口からトランプを出す芸人(ふじいあきら)にそっくりでない?」と指摘した。うーん,軍配は小谷野か。
最終戦となった第6戦も,最後は一打同点というところまで粘りを見せ,「つなぐ打線」の本領を発揮したと言えると思う。2度チャンスが回って来たクリーンアップの3番と4番が,いずれも3振に倒れて得点には至らなかったが,シーズン終盤に下降線を描いていたチーム全体の状況から見れば,大健闘のポストシーズンだったと思う。
ただ勝てるチャンスは充分にあったようにも見えた。野球に詳しい方が見れば,様々な分岐点を指摘されるのではないかと思うが,一つに絞るとすれば私は第4戦の投手起用を挙げたい。
それは,日本ハムが猛打で8対1とリードを大きく拡げた場面だった。それまで好投してきた先発の八木,2番手の建山に続いてマウンドに登ったのは,楽天とのクライマックス・シリーズと日本シリーズ第2戦に好投し,セットアッパーの柱になりつつあった金森だった。
中継ぎの勘を鈍らせないための調整登板だったのかどうかは分からないが,どう考えても接戦を凌ぐための「中継ぎエース」が出てくる場面ではなかったはずだ。
それでも金森が気持ちをきちんと整理して,新たな気持ちで,どうにか1イニングを抑えてくれれば問題はなかったのだが,案の定,走者を溜めてラミレスに3ランを浴び,1回保たずに降板の憂き目にあってしまった。
投手のメンタルは極めて微妙で,大差が付いた場面で抑えられなければ,緊迫した場面は任せられない,というものではないはずだ。よくクローザーが「2点差よりも1点差の方が良い投球が出来る」というコメントを発するが,7点差で投げさせられた金森が,1点リードや同点の場面と同じモチベーションと緊張感で臨むことは,至難の業だったに違いない。
結局「1点リードの8回裏」という真に金森が出てくるべき場面は,翌日の試合で出現した。前日,手痛い一発をくらった金森はこの場面で起用されることはなく,悪い予感は当たって,ファイターズはシリーズの流れを手渡してしまうことになった。
首脳陣にとっても,金森にとっても,辛く耐え難いシリーズになってしまったが,若い金森(ついでに言えば左対策のワンポイントにされて,少し腐っていたように見えた宮西も)はこの経験と屈辱をバネに,是非とも立ち直って欲しい。
どう考えても「それはないでしょう」という手を打つのが好きな首脳陣が変わらない以上,選手は結果を出し続けるしかないのだから。
ついでに一言:ゴンザレスは,フォームも投げ終えた後の格好も元ロッテの伊良部にそっくりなので,秘かに「そっくりさん大賞」を上げようと思っていたら,我が家の三男が小谷野を見て「口からトランプを出す芸人(ふじいあきら)にそっくりでない?」と指摘した。うーん,軍配は小谷野か。