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2018年J1リーグ第21節 札幌 VS セレッソ大阪【1:1】

ルヴァンカップの王者と南米のカップ戦王者が日本で対決するスルガ銀行カップは,日本での知名度は殆どゼロに近いのに,実は南米では密かに人気を集めている試合だという記事を見かけたことがある。その証拠に今回アルゼンチンからやって来た名門のインデペンディエンテは,アルゼンチン代表選手でもあるメサを筆頭に,チリ代表のシルバやエルナンデスらを含むベストメンバーで試合の一週間前に来日し,この試合に賭けてきた。それに対してセレッソは前節のリーグ戦先発メンバーを全員入れ替えるという荒技で臨んだのだが,やはり本気の名門には敵わず,優勝賞金3千万円は海を渡ることとなった。試合後のオラン監督のインタビューはこのセレッソの対応に対して,我々にも大会にも敬意を欠くものなのでは?というニュアンスを,微妙に込めたものとなった。
セレッソとしてはカップ戦のターンオーバーに対するそんな雑音を,スッキリとした勝利で跳ね返すような試合を目指したのだろうが,彼らの前に立ちはだかったのは札幌の守護神ク・ソンユンだった。

DF網を完全に破られて1対1になった場面がひとつ,フリーで打たれたシュートが少なくともふたつはあったが,いずれもソンユンの的確な判断と落ち着き,そして素早い反応によって防がれ,ゴールネットが揺れたのは開始直後のニアのCKに合わせられた1点のみに留まった。札幌の倍以上のシュートを打ちながらも勝ち点1に終わったユン監督は,再びスルガ銀行杯の対応に対する批判に晒されることになるかもしれない。

圧倒的に試合を支配されながらも勝ち点1を積み上げることに成功した札幌だが,雰囲気は非常に良くない。3バックがフラット5になってしまい,跳ね返しても前線でボールを受けるのはジェイ一人。すぐに奪い返されては再び波状攻撃に遭う,といういつか見た光景が再現された後半は,最早「ACL圏内残留」とか言っている場合ではなく,ピッチに満ちていたのは残留争いに巻き込まれる危険性を孕んだ空気そのものだった。

総走行距離では上回ったものの,スプリント回数では20回以上の差を付けられたという事実が物語っているように,攻撃時のダイナミズムが失われているという印象が強い。特に相手のボランチ山口蛍のスプリントが20回だったのに対して,札幌の二人のボランチは宮澤が9回,深井に至ってはたったの4回ということが,「前を追い越してボールを受ける動き」の喪失を象徴している。
かなり致命的なミスで2万1千人のため息を何度も誘った三好がアジア大会で覚醒することを願い,前回も触れたボランチ兵藤,場合によっては小野の先発によるチャナティップのシャドー的活用を提言したい。少し早い気もするが,ここが正念場だ。
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