『古舘伊知郎トーキングブルース「言葉2022」』制作備忘録②

2022年12月10日 09時08分48秒 | エンタメのかけら



『古舘伊知郎トーキングブルース「言葉2022」』
 現在、配信でご覧頂くことができます。
(12月11日23時59分まで)
<こちら>からぜひどうぞ!



<その2>

2回目の打ち合わせは2022年1月21日。

実はその前に、制作スタッフだけの打ち合わせがありました。
そこで2014年の一夜限りの復活以降もテーマを設けて来なかったが、今後はテーマを設けた方がいいのではないかという話が出たのです。
20年ぶりに「言葉」をテーマにという話もこの時に出ました。

この提案は古舘さんにも受け入れてもらえ、1月21日の打ち合わせは「言葉」というテーマで何ができるかを話し合うところから始まりました。

この時の僕のメモには、すでにソシュールの名前が出てきています。ただし、まだネタにするかどうか検討する段階ではなく、古舘さんがここ数年で学んだ「言葉」に関する知見を説明してくれる、その流れで出てきたに過ぎませんでした。
小ネタでいうと「若隆景」の名前はこの時すでに出ています。


本格的に打ち合わせが始まったのは3月に入ってから。
3月の時点で、
 ・ある人物をその側面だけで描いて観客に想像させる。
 ・口調と言葉遣いが気になる人たちの鼎談。
 ・いかにして言葉は生まれたか?
といった本編にも活かされたネタが出てきました。

といっても「鼎談」に登場する3人は本編とは一部異なり、
どんなかたちで見せるのかもまったくの白紙状態。
最終的に一番作るのに時間がかかったのは、あの「鼎談」でした。

後にエンディングとなる「いかにして言葉は生まれたか?」もまだチョムスキーを詳しく知る前の段階でした。

「覚えるのが難しい言葉を暗記する」というネタが出たのもこの頃。何を暗記するかで「ライトノベルのタイトル」といったアイデアも出て、古舘さんが実際に書店まで取材に行きましたがしっくりいかず、ピカソのフルネームに落ち着きました。

4月5月6月も月1回のペースで打ち合わせは続きました。

そんな中、6月上旬に東京大学の酒井邦嘉先生のもとを訪ねました。この取材のおかげで、いつもはもっとも苦労するエンディングの構想が早い段階で見えてきました。
ちなみに僕は取材の様子を録音したデータで聞いたのですが、凄かったですよ、酒井先生。古舘さんの縦横無尽な質問の数々に対し的確に答えてくれる。というか古舘さん、大好きな言葉の話だったので、明らかに途中で自分が取材に来たことを忘れていましたね、あれは。

6月終わりの時点で、かなり具材が出揃ってきたので、一旦ここまでのネタを整理してみました。そこで初めて気になることが見えてきたのです。


続きは次回。

2022年12月9日の備忘録(スズナリで芝居を観る)

2022年12月10日 07時46分35秒 | 日々のかけら


Dec.9(Fri.)

■今日という日。

朝、昨夜の『DX』を観て感想を書いて送信。新婚芸人の奥さんたち、キャラが濃い。

家人(小)も予定通り出発した。順調にいけば今夜21時過ぎには羽田着。

14時、オンライン会議。

犬の散歩をして気分転換。

16時半、オンライン会議。

夜、下北沢のスズナリへ。劇団600歳の会公演『迷惑な季節』(26)観劇。不条理でもなくナンセンスでもなく「よくわからない」ものが80分続くと笑いながらその迫力に圧倒される。さすがは600歳。声のデカさも600歳。




短い芝居だったので、まだ夜は早い。しかし下北沢にひとりで入れる店を今や思いつかない。冒険はせず経堂に戻る。駅前の店に行くもラストオーダー。看板には22時ラストオーダーとあったが、21時に変更になったそうだ。これぞ「看板に偽りあり」。人々の生活様式が変わった故だろう。結局、『らかん茶屋』に落ち着き。なめろう、鯖の竜田揚げ、蕎麦。

帰還してくつろいでいると家人(小)から駅前まで迎えに来いとの連絡が。何事かと思い迎えに行く。単に荷物が重いからという理由だった。なんだそれ。そのわりには玄関先の階段では、荷物を持ち上げられるかと心配される。