『古舘伊知郎トーキングブルース「言葉2022」』制作備忘録④

2022年12月13日 15時53分19秒 | エンタメのかけら


猪木さんの訃報の後、すぐに古舘さんから「猪木さんのことを入れたい」と言われました。極論、古舘さんが今喋りたいことを披露するのが『トーキングブルース』です。観客も猪木さんの話を聞きたがるはずです。反対する理由はありません。

と思う一方で懸念もありました。ここまで「言葉」というテーマで作ってきた内容が猪木さんに全部持っていっていかれるのではないのかという懸念です。そこで折衷案として「時間は10分ぐらい」「テーマである“言葉”を絡めて欲しい」という提案をしました。

古舘さんから猪木さんブロックの初稿が上がってきたのは11月上旬でした。喋ったものを文字起こししたものなので時間もわかります。20分を超えていました。内容もかなり入り組んでいます。そこで初稿を元に打ち合わせをして内容を整理。それを録音、文字起こしという工程をして準備稿が完成しました。





並行して、各ブロックも固めていきました。
「政治」ブロックはネタが膨大にあるので、その取捨選択。
「エンディング」も初稿では20分はありました。さすがにこれは長すぎるので、説明を削ぎ落としていきました。
なかなか見えなかった「鼎談」もようやく形が決まり、数回の改稿を経て、準備稿が完成しました。

初めての通し稽古は11月20日。
ここで初めて今回の全体像が明らかになりました。

数日おいて2回目の通し稽古。
ここでスタッフから新たな意見が出ました。
猪木さんブロックがちょっと淡白なのではないかという声でした。
話し合いは長時間に及びましたが、結論は出ず、古舘さんの「そんなに長くはしないから、とりあえず次回の立ち稽古でやらせてくれ。それを観て判断してほしい」という言葉で、結論は次回に持ち越されることになったのです。

3回目の通し稽古で、猪木さんブロックの後半が足されたものが披露されました。内容はもちろんのこと、時間的にも全体のバランスを崩さない仕上がりとなっていました。
よし、このかたちで行こう!…とすんなり決まると思いきや。また新たな意見が出てきました。

従来のエンディングではなく、猪木さんブロックをラストにした方がいいのでは?という意見でした。

それもわかります。猪木さんブロックで感動した後、チョムスキーの話を聞いても入ってこないかもしれない。観客は猪木さんの話で感動してそのまま帰りたいのではないか。
ですがそれをやってしまうと、今回のテーマ「言葉」が薄れてしまうことにもなります。
どちらの終わり方もありでしたが、最終的には古舘さんの判断で、本編のあのかたちになりました。

ただし猪木さんブロックからエンディングへと切り替えるためには、やはり何かが必要ということで、言葉を少し足すことにしました。

エンディングで、古舘さんの持論が酒井先生に否定されるくだりは、確かに喜劇的な展開ではありますが、まさか笑い声が上がるとは思いませんでした。たぶん、猪木さんブロックの緊張があってこその笑いだったのでしょう。

『古舘伊知郎トーキングブルース「言葉2022」』制作備忘録、
以上を持ちまして終わりとさせて頂きます。

なお、次回に向けての打ち合わせが年内には始まります。

2022年12月12日の備忘録(慌ただしいだけの月曜日)

2022年12月13日 08時03分46秒 | 日々のかけら


Dec.12(Mon.)

■今日という日。

午前中、整体へ。肩の調子、改善してきていると思うが、治療の効果なのか自然治癒なのかわからない。

『らかん茶屋』で昼食。ランチタイムは満席。長居する客もいないので何より。

13時、オンライン会議。

すぐさま成城学園前へ。英会話。こういう時に限って前の会議が長引き、時間ギリギリで飛び込む。

終わって、今度は豪徳寺へ。駅前のデニーズで、友人から貴重なブツを頂く。ありがたや。それにしても、ドリンクバーなんて年に一度ぐらいしか利用しないので、うっかり子供用のカップを使ってしまう。老化、ではなく単なる不慣れだと思いたい。





帰還。17時過ぎからオンラインで台本打ち。すぐさま終わる。

ただただ慌ただしい1日。月曜の夜はゆっくり考え事をしたいのだが、集中力が微塵もない。短い台本を書くのですら言葉が出てこない。

家人(大)と『松ちゃん』へ逃避。12月に入ってかなりのメニューが微妙に値上げをしていた。困った時代に突入したものである。

『ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも行き詰まりを感じているなら、不便をとり入れてみてはどうですか?~不便益という発想/川上浩司』(48)
読了