山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

マタタビの葉が白くなるのは虫を呼ぶため?

2021-06-12 | 植物

マタタビ 2021年6月中旬 岐阜県中津川市

マタタビが咲き出した。梅みたいなかわいい花。葉陰に隠れているので、よく見ないと気付かない。

葉が白くなり出したのはもう半月以上も前。やっと咲いた、という感じだ。

マタタビの葉が白くなるのは、虫に花のありかを知らせるためだという説があるが、本当なんだろうか?

5月下旬のマタタビ、小さなつぼみがある。

5月下旬、葉が白くなったので、花を探したら、全然咲いていなかった。半月後まで花が咲かないのに、早々と虫に知らせるだろうか?

虫の方にしてみれば、行って見たらまだ全然咲いてなくて蜜ももらえず何日も待たされるということになったら、マタタビへの信頼も失い、待つ気もなくなってしまうだろう。やっぱり、そのときに花がなかったらだめだと思う。

そもそも虫はそんなに長生きか? ミツバチなんかはよく知らないけどそれなりに数週間生きるのかもしれないけど、蝶なんかは2週間も待てないだろう。毎日マタタビに通っては裏切られる蝶がかわいそうだ。

それにそもそも虫はそんなに遠く、高いところから飛んでくるのか? 鳥じゃないんだし。遠くから来る蝶などを狙っているのか? 木の下から来るのも多いんじゃないのか?下から見たら葉の白いのは見えない。

人間側の話をすれば、「葉が白くなるのは虫を呼ぶためだ」と断言するお気楽な自然観察指導者もいなくはないが、ネットを見ても「と言われている」と書いてあるのが多数で、一体誰がそう言っているのかはどこにも書いてない。「と言われている」というのは誠に万能な言葉である。

よって、「マタタビの葉が白くなるのは虫を呼ぶためだ」というのは都市伝説ならぬ山伝説であると断言したい。のだが、どこかにそういう論文がないとは断言できない。ただ、私はその説を今のところ信じる気になれない。

マタタビの壁

マタタビは木の葉や枝につかまってどんどんよじ登り、こんな風に林縁に壁を作っている。こうなると林内に入る風もかなり防がれて、林内の環境がかなり変わってくるだろうと思う。

結構びっしり葉を茂らせて、林の側面からもれなく光を受けて光合成に励んでいる。

 

猫はマタタビの枝にもゴロゴロするが、とりわけつぼみには狂喜乱舞して、見ていて心配になる。マタタビ中毒で廃人ならぬ廃猫になるんじゃないかと不安になる。けどそういう話も聞かないので、きっと依存性はないのだろう。友達が猫を飼っているので送ってあげたい。今は猫ブームなので、こういう枝を道の駅なんかで売ったりするとバカ売れしそうな気がする。

 

動画で紹介しています→https://youtu.be/jaws0lvOOpM