熊澤良尊の将棋駒三昧

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「将棋馬日記」補修の是非についての考察

2011-09-01 05:59:50 | 文章
9月1日(木)、小雨。

9月になりました。
210日の防災の日。
南の海上には台風がゆっくり北上しているようです。

ーーーー
先日の島本町での会議で、事務局から「将棋馬日記」を補修したい旨の提案が示されました。

「日記」そのものは、手札程度の二つ折り薄葉紙、約30丁が和綴じされた本になっています。
400年ほど前に書かれたもので、虫食いが幾分進んで、端などの一部分は紙がホツレたところもあります。
しかし、墨の文字は、虫食いで読めないところが生じているものではありません。

これを文化庁の補助金を活用して、今年度中に補修しようという事務局の提案です。
普通なら賛成と言いたいところですが、小生は次のような意見を申し上げました。


今は町レベルの文化財ではあるが、本来はもっと上位の日本文化の重要資料として顕彰されるべきものと思う。
下手な補修で現状の姿が大きく損なわれたりして、取り返しのつかないことになってはいけない。

今、直ちに補修する必要性があるのか無いのか。
それに、補修するとしても、使われる裏打ち素材(裏打ちする和紙の種類と厚み、ノリの種類)の吟味や、虫食いの処理方法の選択は重要で、慎重に行わなければならない。
場合によっては、現状のままを保存することもいいのかもしれない。

予算が確保できるということだけの拙速は慎むべきで、補修ありきではなく、補修の是非について文化庁など然るべき見識を有する機関や人物の意見を充分聞く必要があるのではないか・・。

この問題に関しての要約は、以上。

余談ですが、この手の修復に長けた専門家には「国宝修理装黄師」と称する人(集団)があるようです。
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