何度かブログにも書いていますが、「行きつけ」にしている八百屋さんがあります。
クルマで10分ほど走ったところにある、小さなお店。
本店ではなく、山梨への観光客相手のテントづくりのお店でしょう。
私より年配のおじさんとおばさんがやっているお店です。
横浜の友人に頼まれて、一宮の桃、牧丘の巨峰、そして(場所はわかりませんが)甲州ぶどうを注文して、県外に送ってもらっています。
かれこれ10年以上もお願いしているでしょうか。
何よりも果物の鮮度が違います。
一度に大量に注文することが多いので、店頭に無いことが多く、翌日採れたものを直接送ってもらっています。
我が家には、お店の宅急便の伝票が常備してあります(笑)。
送り先は、桃と巨峰が、東京を始めとする首都圏の親類の方、そして(桃と)甲州ぶどうは新潟と山形の親類宅。
友人によると「新潟と山形には巨峰があるので、そちらへは甲州ぶどうが喜ばれる」のだとか。
「牧丘の巨峰は一番美味しいよ」というのは、おじさんの口癖ですが、それはさておいて、我々もほとんど目にすることも無くなった甲州ぶどうのお話です。
最近流行の巨峰、ピオーネ、シャインマスカット、甲斐路、ゴルビーなどは、どれも酸味や渋みを極力排したぶどうです。
中には「種なし」で「皮ごと食べられる」品種も少なくありません。
そうしたぶどうが好まれるようになっているのは紛れもない事実です。
そうしたぶどうと対極の位置にいるのが甲州ぶどうです。
見た目もそんなにきれいな色をしているわけでもなく、口に入れると酸味と渋みを感じます。
皮は食べられず、種もあるので吐き出さなければなりません。
子供の頃は、それがぶどうという果物だと思っていました。
他には、小粒の実で房にかぶりつくようにして食べるデラウエアと、めったに見かけないマスカット(酸味も種もあった記憶があります)しかない時代でした。
我が家にも甲州ぶどうの木が一本あり、決して形の良いとは言えない房がいくつか実りました。
でも、採って食べようと思った記憶はあまりありません。
イチジク、柿、サクランボ、ザクロなどの木がありましたから...。
件のお店でも、甲州ぶどうは店頭にはあまり並ばず、注文のみでお願いしています。
今年は、2キロ入りの箱を合わせて6つ、5軒のお宅に届けていただきました。
有名な甲州ワインも、シャルドネなどに押されて、甲州ぶどうを使った白ワインの量は少ないんじゃないでしょうか。
決して病害虫に強い品種とはいえないと思うので、栽培するのにも手間がかかるのかもしれません。
もしどこかで、「甲州ぶどうを使った」甲州ワインを見かけたら、ぜひ一度味わってみることをお勧めします。
甲州ぶどうの味を知っている人間からしたら、驚きのワインなのかもしれませんので。
(私はワインよりはウィスキー派なので...)