松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

最近の姿勢意識

2006-02-13 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
最近また姿勢について
いろいろと検証しているところ。
どうもこの頃自分の中で骨盤の巻き上げ感覚が
少し変わってきているような気がしている。

基本的には大差はない。
背骨を中心としたひねりを多用する導引では、
ひねる動作を確実に行うには腰を主導として
背骨と骨盤を一体化させた状態を保つ必要があると
理解している。
そのために上体と下肢をつなぐ骨盤を
巻き上げるようにすることで、
上下の一体化を図っているのだろうと。
さらに背骨を上下に牽引するイメージをもつことで
背骨のS字の状態が小さな(ゆるい?)カーブになる。

このときの体の協調ぐあいをチェックしてみると、
自分の場合はいつも下腹部の緊張感が
強くなる傾向がみられる。
基本姿勢では胸や腹部はある程度のゆるみがあり、
背後はやや緊張感がある状態となる。
その下腹部の緊張がやや強めな気がしているのだ。

 
そこでいろいろとためしてみたところ、
アゴの状態で胸や腹の緊張感が変わることに気がついた。
あごをひけば緊張し、アゴを伸ばせば(前に出す)ゆるむ。
しかし、ただアゴを伸ばすだけでは猫背になる。
そこでさらにアゴを伸ばしながら
首と頭を上に伸ばすように意識する。
で、また全身の状態を確認して
気になる緊張の有無をチェックする。
こういう微調整をくりかえしていく。

そうこうしているうちに
骨盤の調整にかかるときには骨盤だけではなく、
股関節もセットで意識するようになったのだ。
こうすることで上体と下肢との一体感を
感じられるように調整してみている。
なんだか自分の体が
ガンダムになったみたいに思えてきたりして(笑

調整には単品チェックの積み重ね
という側面もあるけれど、
同時に相互間の協調ぐあいのチェックも
意識していかないと
全身の調整にはならないのかも。
何をいまさら的な、
しごく当然で基本的なことなのかもしれないが、
協調性とは関係性のバランスだから
対象は複数である(はず?)。
ある動き(変動・変化)に対応する協調操作は
主たる動きだけではなく
必ずどこかで行われているのではないか。

全体をみれば複雑に絡み合っているようにみえても、
基本は一本の糸でつながっているような
シンプルなものではないかと、今のところは思っている。
つまりは陰と陽のバランスだろうなと。

その協調の糸が幾重にもつながって構成されているだけ。
そしてその糸の感覚が鈍くなることが
緊張し過ぎた状態なのかも。
流れるような動きのときには実際に協調の糸の感覚が
手に取るように感じられる状態なんだろうなあ。

緊張感とは実際に流れが止まっている状態なのだろうか。
つまり全身の協調性からみても
異質な印象を与える部分なのかもしれないなぁ。
やはり姿勢が基本であり、
姿勢をつくることが協調性を知ることにもなるようだ。
左足の腱の腫れも
協調が破れている状態を現しているんだろうなあ。
姿勢が変わることで立ち方や体重のかかりぐあいも
変わっているのかもしれない。

加齢とともに心身は変化するし
予期せぬことで変化を余儀なくされることだってある。
それはだれにでも起こることだが、
たとえ同じ現象でも状態はそれぞれ異なる。
そのときどきで人それぞれで
理想的な姿勢は微妙に変わってくる。
自分が目指しているものの輪郭が
少しずつハッキリしてきたのかもしれない。