松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

冬土用です

2009-01-18 | 養生の栞-季節と養生-
17日から冬土用に入りました。
期間は2月3日までです。

午前9時近くになっても
まだ凍てついたままの雑草たちの姿は
見るからに寒そうです。
凍えるという現象は
寒さに耐えられないでいるようにも見えますが、
陽を浴びたり気温が上がってくれば
自然解凍して、すこぶる元気なんですよね。
むしろ凍えることで身を護っているというか
寒さに順応しているのではないかと思えるような…。
外気の状況に合わせて
基礎代謝を調節しているのかも。
自然の反応を観察するのはおもしろいです。


この時期に代謝機能が低下するのは
人間もおなじです。
顕著に現れてくるのが胃腸に代表される
消化器系統かもしれません。
食欲が落ちたり下痢や便秘といった現象が
みられることが多いようです。

便秘は割と熱がこもるタイプの人に多いのですが
この時期に便秘するという人の中には
お腹が冷えていて腸がうまく活動できていない
場合もあります(これも基礎代謝の低下現象のひとつ)
お腹を温めてみて気持ちがいいなと感じたら
体は温まりたかったんでしょうね。
お腹が温まるだけで腸が動き始めることもあります。

ところで便秘していると、ついそのことを
意識するようになってしまいますよね。
これだけでも腸には刺激が伝わっています。
さらにそこへ「便秘=体によくない」と思うことで
意識の仕方もより強くなるのでは?
そうなると体の自然な反応を
気持ちの方が待ちきれなくなってきませんか。
一刻も早くスッキリしたくて
ついつい薬に頼ることもあるのではないかしらん。

薬物の刺激によって便意を起こすことは
どうみても不自然(人為的)なことですから
できれば頻繁には行わない方が
本来の(その人なりの)リズムを乱さずにすみます。

ときには便秘のような意にそぐわない現象でも
体の現象に付き合ってみることがあっても
いいのではないかしらん。
(もちろん程度の問題はあります。
そのあたりは常識の範囲内での話です。)


何も便秘に限った話ではありませんよね。
つらいと感じているのは体なのか、
それとも自分の気持ちなのか。
こういう問いかけができるくらいの心理的余裕を
なるべく持ち合わせていたいと思うこの頃です。