松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

【介護メモ】退院、ホームでの新生活

2014-12-26 | 花熟帯落-玄冬・老いの風景-
前回更新から1ヶ月以上もの間
心ならずも放置状態となってしまいました。
話題には事欠かないほど
師走前からひた走るハメとなってしまい
更新する余裕がなかなか…
ということで、ようやくの更新です。



■父が退院、介護付有料老人ホームへ

じつは去年の同時期に実現するはずだったのですが、
退院直前になって父が体調を崩してしまい頓挫、
そのまま継続入院となっていました。

そして一年が経とうかというタイミングで
再び主治医から今後について話し合いを持ちたい
との連絡があり、
去年と同様の手続きを経てホーム入所となりました。
父の場合は今回が二度目でもあったからなのか、
話し合いの場を持ってから2週間程で
ホームとの契約を済ませて退院という慌ただしさ。
あれよあれよと何か追い立てられるような感じで
事が進んで行きました。

たしかに父は本来ならば去年の11月には
退院していたはずなのですから、
父がベッドを占領し続けていたことで
どなたかが待たされていたことになります。
ですから退院の道筋が立ったなら
一刻も早くというのは当然といえば当然で。
これほどの期間までお世話くださったことは
何ものにも代え難く深く感謝しています。

ただ、私個人としては父のキーパーソン
(事実上の身元引き受け人)に指名されたことで、
否応なく他者の人生まで背負う(責任の)重さに
よろけっぱなしで消耗しつくしただけの話です。
そして自分には諸事万端を頼めるような人は
おそらくいない。ということは
事前にここまで準備する必要があるのかな
と考えるだけで溜め息が漏れるような日々を
過ごしていました。


■ホームでの父

ホームに入所してからの父は相変わらずの日々。
要望があってもスタッフの方達には
直接伝えることをしません。
家族(母や私)が面会に行けば
ここぞとばかりに愚痴るだけ。
要は自分の要望を直接伝えようとはせず、
家族を介して伝えようとするのが父のやり方。
でも、これは父にもホームにとっても
あまりよいことではないので
よほどのことでない限り聞き流しています。

ホームでは日中は起きて夜は休むといった
基本的な生活サイクルを通して
生活感覚を取り戻していきたいというのが
父の希望でした。
が、父の生活基本軸は自由気まま。
他者との協調生活など考えられない人です。
幼少期の環境もあるとは思いますが、
人と合わせるくらいなら我慢する方がマシ
というのが流儀で、口癖は「しょうがない」。
自分の意にそぐわないことは
しょうがないと諦めるようにしてきたのです。
つまり話し合ったり、ぶつかり合ったり
自ら主張したり選択することは一切しない主義。
これはこれで窮屈な生き方に見えるのですが
たぶん最期まで変わらないと思います。

それでもスタッフの方々に介助されながら
日々の暮らしが成り立っていることは
わかっているので、
ホームの職員や現場の方々への愛想は
恐ろしく好いです。
これはホームだけのことではなく
病院でも同様でした。
だからいまのところは概ね良好な関係を
築けているようです。

突然の歩行困難から始まった介護生活。
居宅介護を4年近く続けてきての入院、
そしてホームでの暮らし。
ホームは特養に入所できるまでの限定利用契約です。
ここが安住の地というわけではありませんが
もしかしたらそうなる可能性もあります。

家族には絶対に見せないような笑顔を見せ
些細な介助にも感謝の言葉を口にする。
父が父なりに気を遣っている姿をみることで
むしろホッとしていたりします。
これまでの確執が消えるわけではありませんが
嫌いじゃない父の一面を
少しでも記憶に残せることで
自分も救われているのかもしれません。


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