松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

父の入院

2016-12-23 | 花熟帯落-玄冬・老いの風景-
そろそろ母の一周忌の準備を始めようとしていた矢先、
ホームに入所中の父が体調を崩し入院しました。


急激な血圧の低下と極度の脱水症による緊急入院でしたが
もともと弱かった腎機能がほとんど機能していない状態で
あと一日入院が遅かったら…
なかなかにきわどいタイミングでした。

最初の一週間は、急変の際は連絡しますので
というような状況でした。
二週目には、検査の度に数値に改善がみられるものと
そうでないものとが入り混じるなど、
高齢者ならではと思われる一進一退な経過をたどり、
そうして三週目となってようやく
入院当初よりは一段階よくなったのかな、どうかな?
でも、入院直後から行っている
心電図モニターチェックはいまも続けられているので、
状況なりの落ち着きはみられるものの
安心という段階とはまだいえないのではないかと。
それでも担当医の言葉の端々に
ほんの少しホッとされてる感じが漂ってます。

もちろん今のところは、の話です。


母は十分に生きたからいつ迎えがきてもいいと
常々言っていましたが、
父は死を怖れているようです。
母はずっと心身が弱かったからか
死をごく自然に受け容れていたようで、
折にふれて自分の死後に関する希望などを
私に話しかけてきました。
かたや父はといえば、母から
生前整理の話を持ち出されようものなら
夜中にうなされてしまうほどの人で
遺った者で好きなようにすればいいと言うのが
精一杯という、きわめて対照的。



そんな父ですから妻を亡くした年の末に
体調を崩して入院となれば
どんなに考えたくないと思っていても
否応なく自分の残り時間を意識してしまうのか、
そのいたたまれない気持ちをぶつけてくるものの
私は適当にいなしてしまいます。

それを黙って(耐えて)受けとめてきた
あなたの妻はもういないのですよ。
それはあなたもわかってるはず。

母が最後に教えてくれたのは
淡々と暮らす日々のなかにこそ
愛しさが宿るということ。



親を看取る経験もこれが最後。
いつかはくるであろうそのときまでは
できることならば母がそうであったように
父にも父らしく生ききってほしい。
できることは限られるけど
こうして見守っていくこともまた
看取りの過ごし方かなと思っています。









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