松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

バランス感覚を磨くために

2008-03-18 | 養生の栞-食・眠・動-
門外漢の食養生と題して、
これまでいろいろと書き連ねてきましたが、
基本的には太極導引鍛錬による養生と
同列にとらえています。

自分なりに体調を判断しながら食性を組み合せて食するとはいえ、
自分の意志で主導的に行えることには限度があります。

意志の主導が及ぶのは口に入れるところまでです。
その先からは体が主導権を握っています。
つまりどんなに計算してみたところで
体が計算通りに取捨選択してくれるとは限らないわけです。

頭だけでも体だけでもうまく機能しないからこそ
役割分担というか補完し合うような仕組みに
なっているのかもしれません。
だとすれば何事においても
まずは双方にとって無理のなさそうな
できそうなところから働きかけてみることが
心身にとって好ましい環境なのかもしれません。

食性の組み合わせにしても、
ほとんどの人の場合は
ザックリした分け方で充分かと思います。
むしろ心理的負担になったり
神経質になり過ぎてしまうことが
ストレス要因となって体調に影響したりでもしたら
元も子もないですよね。

健康な状態というのは
自らとりたてて考えたりしない、
気にならないような状態だったり、
健康意識から解放されたかのような状態とでもいうか…。
ただし心身の状態に無関心でいたり無頓着だったり
というのともちょっと違う。
ほどほどの気遣いはしているんだけど…とでもいうのかな、
おそらくはこれもまたバランス感覚なんだと思うのですよ。


自分で食事をつくる習慣がない人にとっては
自炊は大変革に等しいでしょうから、
仮に外食中心であっても
たとえば、ナトリウムとカリウムのバランス(*)を利用して
一日の食事のバランスをチェックするだけでも
意識は確実に変わってくるかと思います。
そういう段階からでもとにかく変わる、
変えてみようと試みる、行動することが
自信を育てていくんですよね。
(どうも自信が持てないときは動いていないか
動き方が不足しているような気がします)

とりあえず自分ができそうなところを見つけるところからです。
誰でもできるところではなくて、
自分ができそうなところというのがポイントです。
意外とセンスが要ります(ある程度自分を知らないと選べない)。

誰のためでもない、自分のために行うものだから
自分と向き合う習慣も一緒につくっていきましょうということかと。



 (*)……マクロビオティックでは
     ナトリウム(Na)・マグネシウム(Mg)を多く含む食品は陽性
     カリウム(K)・カルシウム(Ca)を多く含む食品は陰性とされている。


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