山名:奥穂高岳・ジャンダルム・西穂高岳
山行目的:岩稜歩行に慣れる
山行日:2012年7月28日(土)~29日(日)
天気:28日晴れ 29日晴れ一時ガス
山行者:山の会”K藤さん、N川さん、M利さん、I藤弟さん”と僕の5名。
CT:
28日 西濃総合庁舎4:00=羽島IC=高山IC=新穂高7:10/7:25…
白出沢登山口9:04…重太郎橋10:09…穂高岳山荘14:35(泊)
29日 穂高岳山荘4:12…奥穂高岳4:52…馬ノ背付近5:10…ジャンダルム6:06…
天狗のコル7:26…天狗岩7:59…間ノ岳8:48…西穂高岳9:58…西穂口駅13:30⇒
ロープウエイ⇒新穂高14:35=温泉=高山IC=羽島IC=西濃総合庁舎19:45
≪28日≫
新穂高には予定より早い時間に到着したが
無料駐車場はパンク状態で停めることができず、
ロープウエイ駅近くの有料駐車場に停めた。
空は雲で覆われていた、穂高平まであとちょっとのところで空から雨粒が。
このまま本降りになってしまうのかと思っていたが
白出沢分岐に着く前に好天し、青空が覗いた。
この日の予報は午後から下り坂、
計画では夕方に穂高岳山荘到着予定、なんとかもってほしいところ。
幽霊が出ると噂される小屋の横で息を整え出発する。
N川さん先頭で登っていくが徐々に苦しくなっていく、
僕と先頭を交代し最後尾に付くN川さん、
意識しながらゆっくりゆっくりで歩いているつもりであるが
最後尾のN川さんは離される。
僕の知っているN川さんはパワフルだったはず、どうしちゃったのかな?
沢の音が近づき、一本入れるために休憩適地を探していたら
重太郎橋に着いた、ここで小休憩する。
橋というより木の板が置いてある重太郎橋付近の水量は
穏やかで渡渉でもなんとか行けそうなぐらいだ。
橋を渡り左岸へ、ハシゴを2本程登り断崖絶壁な道を登っていく。
このまま陽のあたる沢道かと思ったら
水が枯れたところで右岸にわたり返し再び樹林帯へ、
ここからさらに急登になっていく。
荷継沢の指標が現われた辺りから樹林帯を抜けガレ場の登りとなる。
目の前に小さいが雪渓が現われる、奥にはもっと大きい雪渓が見える。
最初の雪渓は小さなものでトレースもありひょいひょいと簡単に通過できた。
奥の雪渓は標高差で100mあるかないか程、
リーダーK藤さんから折角なのでアイゼンを装着しようと指示が出た。
キックステップでなんとか登っていけそうな気がしたので
僕だけお先に登り始めた。
アイゼン装着に手間取っているのかなかなか上がってこない、
雪渓をようやく登りきる所でI藤弟君が信じられない猛スピードで上がってきた。
疲れました~と言っていたが
顔は爽やかな笑顔で汗一つかいてなかった…流石。
雪渓上部にあった岩の上で残り3人を待っていると
ゆっくりゆっくり上がってきた。
バックにはまだ雪渓残る笠ヶ岳が顔を出していた。
雪渓を越えるとひたすらガレ場の登り、
はるか上には穂高岳山荘の土台が見える。
残り標高差500m程、それ程あるように見えないが、
歩いても歩いても一向に近付かない山荘にもどかしさを感じた。
皆が倒れる前になんとか穂高岳山荘に到着する。
テラスには登山者が溢れかえっていた。
空いていた石のテーブルに陣取り缶ビールで乾杯する。
標高差1800m程を一気に登ってきた。
皆疲れたようで、
このあと涸沢岳に登ろうなんていう人は誰もいなかった。
結局この日は上がってくるまでに天気はもった。
夜になってガスが出て来てパラパラした程度であった。
最近天気予報よく外れるがこういう外れ方ならOKである。
山荘で受付をしあてがわれた部屋へと向かう、
今日は大賑わいで布団一枚(一畳)に付き2名とのこと。
あてがわれた部屋は2階の“蝶ヶ岳”の間、
6畳ほどで先客が2人居た。
自分達が5名のパーティなのであと5名は入る事になる。
狭いこの部屋に12名、考えられない、
しかし結局これ以降お客さんは増えずに
6畳ほどの部屋に7名とそれ程窮屈せずに寝ることができた。
夕食まで時間はたっぷりあったので僕は談話室で山のマンガを読んでくつろいだ。
あとの4名は、何をしていたんだろう?
夕食は4回戦だった。
僕らは3回戦目、
一回戦100名程片付くので宿泊客は400名程か、本当に大賑わいだ。
夕食のメニューは塩サバに付け合わせ、
かぼちゃコロッケに大根の煮物と生野菜サラダにフルーツ、
柴漬けにごはんとみそ汁がおかわり自由だ。
自炊と比べたら十分おいしい食事、
メニューは下界でいったら(青少年自然の家のメニュー並みか)
貧相かもしれないけど、山の上では十分立派だ。
食後は特にすることなく後はもう寝るだけ、
周りの部屋や、階下の談話室辺りからは賑やかな会話が聞こえる。
歯磨き、トイレ、翌日の朝弁当を受け取り、
ザックの中を整え布団に入る。
普段の生活と比べたら早過ぎる時間、
賑やかな声、寝付きを妨害されながらも眠りに入る。
夜に何度か目が覚める、
疲れているのに…なんだろう…イ○キのせいかな?
イ○キで何度目かの目覚め、
ふと窓から夜空を見ると満天の星、下界じゃ考えられない程の星の数、
こ、これは天の川が期待できる!
デジタル一眼レフと三脚を持って外へ、空を仰ぐと満天の星!
徐々に目が慣れてくると見えてきたものは天の川、実に2年ぶりだ。
三脚をセットし一眼レフで天の川を狙う。
星空観察が趣味のK藤さんも起きていた。
頼んでもいないのに親切に星座や星を説明してくれるK藤さん、
でも…夏の大三角形とはくちょう座しか解りませんでした。
Mなんたら星雲とかアンドロメダとかは今一…。
何枚か写真撮っていたら寒かったのかK藤さんは先に部屋に戻ったよう。
ダウンを着てもやや冷える中、一時間程星空を堪能して部屋へ戻った。
残り睡眠時間1時間程、しかしまたもやイ○キに妨害され…、
今度は忘れず耳栓を持っていこう、あと濡れフキンも(嘘)
≪29日≫
寝不足のまま、起床時間となり起きて出発時間に取り掛かる。
他の部屋の人たちも続々と起きだし出発準備をしていた。
4時12分、小屋の前で集合写真を撮る。
東の空が徐々に赤くなっていくなかヘッドライトを点けて出発した。
まずは岩壁を登っていく、
ハシゴ2本まではほとんど垂直の登り、
GWの時みたいに凍っていなくて楽に通過できた。
ハシゴの上はGWの時は雪壁だったが、
雪は全くなく、こうも違うのかというくらい楽に通過できた。
奥穂高岳山頂までは楽チンで登頂、
集合写真を撮り、日の出を拝んでから
西穂へと続く今縦走の核心部へと足を踏み出した。
まずは馬の背、両側が切り立つナイフリッジだ。
その先にはロバの耳、ジャンダルム続く、
天気は最初晴れていたが、馬の背に取り付いたころには辺りはガスに覆われ…
これで恐怖感が薄れた、これ幸いか。
いきなり洗礼を受けた感じ、歩ける場所は幅1m程、
落ちたら即あの世行きだ。
前を行くN川さんは普通に歩いているように見えるが、
僕はそんなふうには行けない。
ビビってしまって場所によっては四つん這いで進む。
やや渋滞気味で一旦停滞気味になる、
馬の背は初め水平だったが下降し始める。
足を置く場所、掴む場所を慎重に選びながら下っていく、
一般の登山道でこれほどまでに慎重に行動したのは初めてかもしれない。
なんとかコルに下り立った時には安堵した。
まずは一つ目の核心部終了、難所はまだまだこの先幾つも出てきそうだ。
次の難所はロバの耳、王様の耳はロバの耳のあれである。
岩山を左に見ながら目印を頼りにへばり付くように巻き登っていく。
馬の背の方がスリルあったのかこれはまあなんとかクリア。
ジャンダルムは右に見ながら巻き西穂側から頂に上がる。
ジャンダルムというと相当難しいと思っていたがなんともあっさりと登頂。
拍子抜けした。
頂から下りて再び登りあえしたところは平らな場所、休憩には持ってこい。
ここで休憩とし弁当を取り出して朝飯とした。
朝飯は朴葉寿司に鮎の甘露煮、磯辺揚げとわりかし豪華である。
お腹の中が満たされ元気満タン、勇気は充填されず半分くらいかな?
天狗のコルへと下っていく、ここは比較的緩やかな所もあり緊張感が緩んだ。
天狗のコルは岳沢へのルートが分岐している。
その道も点線ルート、一筋縄ではいかないようだ。
大昔に無くなった避難小屋の跡があった。
周りを取り囲むように石垣のようなものが残る。
ふと振り返ると今まで歩いてきた険しい岩峰群が見える、
ここ歩いてきたなんて信じられない、というか自分って凄い。
コルからまず切り立った岩場を鎖を頼りに登り、
その後も手と足を上手くつっかいながら登ってく、
天狗の頭を越え下りに掛かると、
最後の部分は有名な“悪名高き逆層スラブ”だ。
鎖が下の方まで付いていて、それを頼りに下ってく。
物凄く長いものかと思ったがそれ程長くもなかったし斜度もそれほどキツくなかった。
しかし下の方は断崖絶壁になっており、やはり危険といえば危険、
滑って転んだらストーンと落ちて行きそうだ。
今回は濡れてはいなかったが、濡れていたら怖さ倍増するだろうと感じた。
最後の難所は間ノ岳、僕の中では“馬の背”と“間ノ岳辺り”が危なそうに感じた。
間ノ岳辺りは今にも崩れそうなカスカスな岩山という感じ。
浮き石多く、簡単に落石を発生させてしまいそう。
慎重に登っていったが、大小構わず浮き石が動いて、
下から来る者に落としてしまわないかヒヤヒヤであった。
間ノ岳を過ぎると難路も終わりとなる西穂高岳へと至る。
西穂高岳だけまであともう少しというところで滑落事故があった模様で、
救助に当たっていた人がした。
救助に当たっていた人からは意識はあると聞いたが
その後無事救助され命に別状がなかったかどうかは良く解らない。
同じ道を行くものとして登山者として心配である。
西穂高岳への最後の登りは比較的楽に上がる事が出来た。
西穂から独標まではグレードが一段階下がるが
上級者コースに代わりはない。
観光地かと思う程お賑わいの西穂独標から渋滞に巻き込まれながら下り、
ちょっとした広場に腰を下ろした時ようやく安堵できたと思った。
ヘルメットとグローブを外し、一息入れる。
奥穂高岳~西穂高岳までは緊張しっぱなし、
精神的にも肉体的にも疲れ果てもうヘロヘロだった。
あとは難所のない登山道を下るだけ、
西穂山荘で休憩を入れロープウエイ駅まで一気に駆け下りた。
ロープウエイで下界に降り立ち駐車場で登山靴を脱いだ時、
もう今日は山を歩かなくてもいい事にホッとした。
今回、経験者K藤さん、N川さんあってこそ無事に通過できたと思う。
一人で歩いていたら心が折れていたかもしれない
(心が折れても歩かなければならないが)。
山ヤ憧れの!?馬の背、ジャンダルム、逆層スラブ、間ノ岳、
最後まで安全に歩きとおせてとても満足です。
また一つ大きな自信が付いたような気がします。
山行目的:岩稜歩行に慣れる
山行日:2012年7月28日(土)~29日(日)
天気:28日晴れ 29日晴れ一時ガス
山行者:山の会”K藤さん、N川さん、M利さん、I藤弟さん”と僕の5名。
CT:
28日 西濃総合庁舎4:00=羽島IC=高山IC=新穂高7:10/7:25…
白出沢登山口9:04…重太郎橋10:09…穂高岳山荘14:35(泊)
29日 穂高岳山荘4:12…奥穂高岳4:52…馬ノ背付近5:10…ジャンダルム6:06…
天狗のコル7:26…天狗岩7:59…間ノ岳8:48…西穂高岳9:58…西穂口駅13:30⇒
ロープウエイ⇒新穂高14:35=温泉=高山IC=羽島IC=西濃総合庁舎19:45
≪28日≫
新穂高には予定より早い時間に到着したが
無料駐車場はパンク状態で停めることができず、
ロープウエイ駅近くの有料駐車場に停めた。
空は雲で覆われていた、穂高平まであとちょっとのところで空から雨粒が。
このまま本降りになってしまうのかと思っていたが
白出沢分岐に着く前に好天し、青空が覗いた。
この日の予報は午後から下り坂、
計画では夕方に穂高岳山荘到着予定、なんとかもってほしいところ。
幽霊が出ると噂される小屋の横で息を整え出発する。
N川さん先頭で登っていくが徐々に苦しくなっていく、
僕と先頭を交代し最後尾に付くN川さん、
意識しながらゆっくりゆっくりで歩いているつもりであるが
最後尾のN川さんは離される。
僕の知っているN川さんはパワフルだったはず、どうしちゃったのかな?
沢の音が近づき、一本入れるために休憩適地を探していたら
重太郎橋に着いた、ここで小休憩する。
橋というより木の板が置いてある重太郎橋付近の水量は
穏やかで渡渉でもなんとか行けそうなぐらいだ。
橋を渡り左岸へ、ハシゴを2本程登り断崖絶壁な道を登っていく。
このまま陽のあたる沢道かと思ったら
水が枯れたところで右岸にわたり返し再び樹林帯へ、
ここからさらに急登になっていく。
荷継沢の指標が現われた辺りから樹林帯を抜けガレ場の登りとなる。
目の前に小さいが雪渓が現われる、奥にはもっと大きい雪渓が見える。
最初の雪渓は小さなものでトレースもありひょいひょいと簡単に通過できた。
奥の雪渓は標高差で100mあるかないか程、
リーダーK藤さんから折角なのでアイゼンを装着しようと指示が出た。
キックステップでなんとか登っていけそうな気がしたので
僕だけお先に登り始めた。
アイゼン装着に手間取っているのかなかなか上がってこない、
雪渓をようやく登りきる所でI藤弟君が信じられない猛スピードで上がってきた。
疲れました~と言っていたが
顔は爽やかな笑顔で汗一つかいてなかった…流石。
雪渓上部にあった岩の上で残り3人を待っていると
ゆっくりゆっくり上がってきた。
バックにはまだ雪渓残る笠ヶ岳が顔を出していた。
雪渓を越えるとひたすらガレ場の登り、
はるか上には穂高岳山荘の土台が見える。
残り標高差500m程、それ程あるように見えないが、
歩いても歩いても一向に近付かない山荘にもどかしさを感じた。
皆が倒れる前になんとか穂高岳山荘に到着する。
テラスには登山者が溢れかえっていた。
空いていた石のテーブルに陣取り缶ビールで乾杯する。
標高差1800m程を一気に登ってきた。
皆疲れたようで、
このあと涸沢岳に登ろうなんていう人は誰もいなかった。
結局この日は上がってくるまでに天気はもった。
夜になってガスが出て来てパラパラした程度であった。
最近天気予報よく外れるがこういう外れ方ならOKである。
山荘で受付をしあてがわれた部屋へと向かう、
今日は大賑わいで布団一枚(一畳)に付き2名とのこと。
あてがわれた部屋は2階の“蝶ヶ岳”の間、
6畳ほどで先客が2人居た。
自分達が5名のパーティなのであと5名は入る事になる。
狭いこの部屋に12名、考えられない、
しかし結局これ以降お客さんは増えずに
6畳ほどの部屋に7名とそれ程窮屈せずに寝ることができた。
夕食まで時間はたっぷりあったので僕は談話室で山のマンガを読んでくつろいだ。
あとの4名は、何をしていたんだろう?
夕食は4回戦だった。
僕らは3回戦目、
一回戦100名程片付くので宿泊客は400名程か、本当に大賑わいだ。
夕食のメニューは塩サバに付け合わせ、
かぼちゃコロッケに大根の煮物と生野菜サラダにフルーツ、
柴漬けにごはんとみそ汁がおかわり自由だ。
自炊と比べたら十分おいしい食事、
メニューは下界でいったら(青少年自然の家のメニュー並みか)
貧相かもしれないけど、山の上では十分立派だ。
食後は特にすることなく後はもう寝るだけ、
周りの部屋や、階下の談話室辺りからは賑やかな会話が聞こえる。
歯磨き、トイレ、翌日の朝弁当を受け取り、
ザックの中を整え布団に入る。
普段の生活と比べたら早過ぎる時間、
賑やかな声、寝付きを妨害されながらも眠りに入る。
夜に何度か目が覚める、
疲れているのに…なんだろう…イ○キのせいかな?
イ○キで何度目かの目覚め、
ふと窓から夜空を見ると満天の星、下界じゃ考えられない程の星の数、
こ、これは天の川が期待できる!
デジタル一眼レフと三脚を持って外へ、空を仰ぐと満天の星!
徐々に目が慣れてくると見えてきたものは天の川、実に2年ぶりだ。
三脚をセットし一眼レフで天の川を狙う。
星空観察が趣味のK藤さんも起きていた。
頼んでもいないのに親切に星座や星を説明してくれるK藤さん、
でも…夏の大三角形とはくちょう座しか解りませんでした。
Mなんたら星雲とかアンドロメダとかは今一…。
何枚か写真撮っていたら寒かったのかK藤さんは先に部屋に戻ったよう。
ダウンを着てもやや冷える中、一時間程星空を堪能して部屋へ戻った。
残り睡眠時間1時間程、しかしまたもやイ○キに妨害され…、
今度は忘れず耳栓を持っていこう、あと濡れフキンも(嘘)
≪29日≫
寝不足のまま、起床時間となり起きて出発時間に取り掛かる。
他の部屋の人たちも続々と起きだし出発準備をしていた。
4時12分、小屋の前で集合写真を撮る。
東の空が徐々に赤くなっていくなかヘッドライトを点けて出発した。
まずは岩壁を登っていく、
ハシゴ2本まではほとんど垂直の登り、
GWの時みたいに凍っていなくて楽に通過できた。
ハシゴの上はGWの時は雪壁だったが、
雪は全くなく、こうも違うのかというくらい楽に通過できた。
奥穂高岳山頂までは楽チンで登頂、
集合写真を撮り、日の出を拝んでから
西穂へと続く今縦走の核心部へと足を踏み出した。
まずは馬の背、両側が切り立つナイフリッジだ。
その先にはロバの耳、ジャンダルム続く、
天気は最初晴れていたが、馬の背に取り付いたころには辺りはガスに覆われ…
これで恐怖感が薄れた、これ幸いか。
いきなり洗礼を受けた感じ、歩ける場所は幅1m程、
落ちたら即あの世行きだ。
前を行くN川さんは普通に歩いているように見えるが、
僕はそんなふうには行けない。
ビビってしまって場所によっては四つん這いで進む。
やや渋滞気味で一旦停滞気味になる、
馬の背は初め水平だったが下降し始める。
足を置く場所、掴む場所を慎重に選びながら下っていく、
一般の登山道でこれほどまでに慎重に行動したのは初めてかもしれない。
なんとかコルに下り立った時には安堵した。
まずは一つ目の核心部終了、難所はまだまだこの先幾つも出てきそうだ。
次の難所はロバの耳、王様の耳はロバの耳のあれである。
岩山を左に見ながら目印を頼りにへばり付くように巻き登っていく。
馬の背の方がスリルあったのかこれはまあなんとかクリア。
ジャンダルムは右に見ながら巻き西穂側から頂に上がる。
ジャンダルムというと相当難しいと思っていたがなんともあっさりと登頂。
拍子抜けした。
頂から下りて再び登りあえしたところは平らな場所、休憩には持ってこい。
ここで休憩とし弁当を取り出して朝飯とした。
朝飯は朴葉寿司に鮎の甘露煮、磯辺揚げとわりかし豪華である。
お腹の中が満たされ元気満タン、勇気は充填されず半分くらいかな?
天狗のコルへと下っていく、ここは比較的緩やかな所もあり緊張感が緩んだ。
天狗のコルは岳沢へのルートが分岐している。
その道も点線ルート、一筋縄ではいかないようだ。
大昔に無くなった避難小屋の跡があった。
周りを取り囲むように石垣のようなものが残る。
ふと振り返ると今まで歩いてきた険しい岩峰群が見える、
ここ歩いてきたなんて信じられない、というか自分って凄い。
コルからまず切り立った岩場を鎖を頼りに登り、
その後も手と足を上手くつっかいながら登ってく、
天狗の頭を越え下りに掛かると、
最後の部分は有名な“悪名高き逆層スラブ”だ。
鎖が下の方まで付いていて、それを頼りに下ってく。
物凄く長いものかと思ったがそれ程長くもなかったし斜度もそれほどキツくなかった。
しかし下の方は断崖絶壁になっており、やはり危険といえば危険、
滑って転んだらストーンと落ちて行きそうだ。
今回は濡れてはいなかったが、濡れていたら怖さ倍増するだろうと感じた。
最後の難所は間ノ岳、僕の中では“馬の背”と“間ノ岳辺り”が危なそうに感じた。
間ノ岳辺りは今にも崩れそうなカスカスな岩山という感じ。
浮き石多く、簡単に落石を発生させてしまいそう。
慎重に登っていったが、大小構わず浮き石が動いて、
下から来る者に落としてしまわないかヒヤヒヤであった。
間ノ岳を過ぎると難路も終わりとなる西穂高岳へと至る。
西穂高岳だけまであともう少しというところで滑落事故があった模様で、
救助に当たっていた人がした。
救助に当たっていた人からは意識はあると聞いたが
その後無事救助され命に別状がなかったかどうかは良く解らない。
同じ道を行くものとして登山者として心配である。
西穂高岳への最後の登りは比較的楽に上がる事が出来た。
西穂から独標まではグレードが一段階下がるが
上級者コースに代わりはない。
観光地かと思う程お賑わいの西穂独標から渋滞に巻き込まれながら下り、
ちょっとした広場に腰を下ろした時ようやく安堵できたと思った。
ヘルメットとグローブを外し、一息入れる。
奥穂高岳~西穂高岳までは緊張しっぱなし、
精神的にも肉体的にも疲れ果てもうヘロヘロだった。
あとは難所のない登山道を下るだけ、
西穂山荘で休憩を入れロープウエイ駅まで一気に駆け下りた。
ロープウエイで下界に降り立ち駐車場で登山靴を脱いだ時、
もう今日は山を歩かなくてもいい事にホッとした。
今回、経験者K藤さん、N川さんあってこそ無事に通過できたと思う。
一人で歩いていたら心が折れていたかもしれない
(心が折れても歩かなければならないが)。
山ヤ憧れの!?馬の背、ジャンダルム、逆層スラブ、間ノ岳、
最後まで安全に歩きとおせてとても満足です。
また一つ大きな自信が付いたような気がします。
次は何処を目指すのでしょうか?
次は北八ツでの~んびり癒し系山行です。