夏が来た。気象庁の3カ月予報では、
今夏6~8月の平均気温は、全国的に平年より高い予想となり、
月ごとで見ても、全国すべての月で、平年より高くなるようだ。
35度以上の猛暑日も多くなるとの予想に、熱中症が心配される。
どのように対策すればいいのか、「熱中症からいのちを守る」、
「いのちを守る水分補給」(2冊とも谷口英喜 評言社)の著書があり、
熱中症に詳しい谷口英喜医師に、この夏を乗り切る知恵を聞いた。
☆塩信仰はやめて!
熱中症になったら、タダの水や牛乳はダメ。
熱中症対策=塩飴と考え、何かというと塩飴をなめる中高年が多い。
「日本人の普通の食生活をしていれば、塩分は取りすぎです。
逆に減らさなきゃいけないくらいなんですね、
塩分は余分にとっても、すぐにおしっこで出てしまうので、体に貯められない。
よほど汗かかない限り、塩分補給は考えなくていいです」
もちろん炎天下で、何時間も屋外作業やスポーツをして、シャツが塩を吹くような時は別だ。
「道路現場のような暑い場所で、塩飴や塩だけをあげると、非常に危険なんですね。
大量の水を飲まない限り、塩分が小腸に届かない。
小腸に行かない限り、塩分は補給されないので、意味がない。
必ず水分を補充することです」
一般的には、夏バテになって、食欲が低下した時に塩分はとればいいという。
「普段の半分ぐらいしか食べられないなと思ったときは、意識して塩分を取った方がいいです」
☆熱中症になったときに飲んではいけない飲み物
それでも熱中症になったら、とにかく体を冷やすことだ。
一番いいのは水風呂、入れられない時は、
わきの下や鼠径部など、太い動脈の通る部分を冷やす。
そして水分補給なのだが、気をつけることがある。
「熱中症になった時に飲んじゃいけない、3つの飲み物があります」
1つ目はアルコール。
これは当たり前だ。
次に意外なのだが、水。
あくまで熱中症になった場合だが、塩分が足りないために、熱中症になる場合がある。
そこで大量の水だけを一気に飲むと、さらに体内の塩分が薄くなり、
水中毒=体内の塩分量が下がって、症状が悪化する低ナトリウム血症になることも。
緊急事態とはいえ、水だけを大量に飲ませることは避けよう。
「最後に牛乳です」
牛乳はタンパク質が多いため、体内で熱を作り出す。
牛乳を飲むと体を冷やすどころか、体温を上げてしまう。
熱中症予防にはぴったりだが、熱中症になった時には、牛乳を飲ませてはいけない。
「よくお風呂上がりに、冷たい牛乳を飲みますよね?
体が冷やしそうですが、あれは湯冷めしないためだと思います。
牛乳が熱を作るから、昔から風呂上りには、冷たい牛乳を飲むんですよ」
☆夏場に脳梗塞が多いわけ
中高年は、熱中症とともに、脳梗塞にも気をつけたい。
「脱水で一番怖いのは、脳梗塞なんです。
夏場の脳梗塞って、冬と同じで、多いんですね。
水分不足で、血流が悪くなる。
同じように心筋梗塞も増えます。
糖尿病の患者さんも、気を付けた方がいいですね。
今の糖尿病の薬には、脱水にさせる薬が結構あるんですね。
糖尿病の方には、水分がうまくコントロールできていない人が多い」
糖尿病の薬がダイエットに良いというのは、
血糖値の上昇を抑えることと、脱水作用があるため。
糖尿病の薬を飲んでいると、それだけ暑熱環境に弱いと考えた方がいい。
「太っている人は、体内に水分が多く、
熱中症になりにくいと思われている方がいるようですが、逆です。
脂肪には、まったく水分はありません。
脂肪とか贅肉に、お水がたまっているわけではない。
太っている人は、脂肪が多い分、筋肉が少ない。
肌肉が保水するので、贅肉がいくら多くても、体内の水分は少ないことになります」
ラグビーの選手のように、筋肉質でがっちりした人が、熱中症になりにくいわけだ。
「私は暑熱環境をずっと見ていますが、
同じ暑熱環境下において、熱中症になりやすいかなりにくいかは、筋肉量に大きく依存します。
結局、今って座り仕事が多いので、みなさんどうしても運動量が減ってしまう。
意識して筋肉を守ってください」
筋肉は、熱中症も解決するのだ。
--- 谷口英喜 済生会横浜市東部病院患者支援センター長、医学博士、麻酔科医師
熱中症・脱水症に関する報道・解説でTV・ラジオに300回以上出演 ---
川口 友万(サイエンスライター)・・・》
注)記事の原文に、あえて改行など多くした。
今回、「熱中症になった時に飲んじゃいけない、3つの飲み物」、
私は初めて学び、多々教示されたりした。
1・・アルコール。
2・・水。
熱中症になった場合だが、塩分が足りないために、熱中症になる場合がある。
そこで大量の水だけを一気に飲むと、さらに体内の塩分が薄くなり、
水中毒=体内の塩分量が下がって、症状が悪化する低ナトリウム血症になることも。
緊急事態とはいえ、水だけを大量に飲ませることは避けよう。
3・・牛乳。
牛乳はタンパク質が多いため、体内で熱を作り出す。
牛乳を飲むと体を冷やすどころか、体温を上げてしまう。
熱中症予防にはぴったりだが、熱中症になった時には、牛乳を飲ませてはいけない。
何かと無知なことが多い私は、このように学んだりした。
そして今回、高齢者は、熱中症とともに、脱水で一番怖いのは、脳梗塞と学び、
特に糖尿病の予備軍の私は、薬には、脱水にさせる薬が結構あるので、
気を付けた方がいい、と学んだりした。
私は今年の夏の暑さを乗り切れば、9月下旬には80歳となるので、
何とか健康寿命のままで、お誕生日を迎えたいなぁ・・
こっそりと祈願したりしている・・。