その日暮らし

田舎に暮らすこの虫は「カネ、カネ、カネ」と鳴くという。

雲と自由が棲むという里で百姓に成りきれるかな?

喫茶養生

2020-10-19 07:14:47 | 転職

「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす。」

とどめを刺されては復活のしようもないけれど、貧乏な割には、亡き親父は「お茶」にお金をかけていたような気がします。今から40年以上も前に、グラム700円くらいの「芽茶」を買わされていた記憶があるから…。(高校に通う米沢市内のお茶屋さんは当時、計り売りでした^^;)
お葬式の香典返しがスプーン印の砂糖2袋(きっと高価だったに違いない。)であり、それが日本酒900mℓ2本に変わり、お茶に変わった…(今では、コーヒーなんてこともありますけれどね。)親父の葬儀の際は、慣例に従いお茶を香典返しに使い、お袋の時には、奮発してお袋が勤めていた地元漬物会社の漬物の小袋を香典返しに使いました。(慣例の打破なんてね^^;)歳を重ねて、お付き合いや義理も含めて葬儀に参列する機会も増えて、香典返しの「お茶」をいただく機会が増えて、さて、家で飲んでみると実に美味しくない。一度なんか、どうもかび臭いような香りまでしたから、まったくどうなっているのよという感覚でありましたけれど、売り上げが低迷するお茶屋さんにとって、香典返しの「お茶」が最も利幅が大きいと教えてくださった方がいた。さらに、葬祭会社からは納品時にリベートを求められるだろうから、お茶の袋に1,000円などと書いてあっても、仕入れ値は500円程度の品に違いないと推理するのでありますよ。お茶の生産量が減っている。などと、勝手な思い込みを書こうと思っていたら、栽培面積は横ばい、生産量も緑茶飲料の需要があって、年間9万トン前後で推移しているんですと。(平成28年農水省資料)しかし、お茶屋さんの扱う茶葉の需要は減っているようであります。


埼玉県久喜市六万部橋…学生時代、埼玉園試にお世話になりました^^;

利幅を上げるために低価格なお茶を納品する…これが事実であれば、茶葉の需要はさらに低迷してしまうのではなかろうか?学生時代に卒論の関係でお世話になった埼玉県園芸試験場で休憩時間にいただいた「狭山茶」は不味かった。来客用の「狭山茶」と分けていたくらいですから^^; そんな訳で、『夢屋農場長』の「狭山茶」に対する評価はすこぶる悪いのでありまして(これは飲んでいた「狭山茶」の質が悪かっただけで、本来の「狭山茶」ではないことを申し上げておきたい^^;)遠い記憶に刻まれた「狭山茶」には手を出しませんでしたから…やっぱり、お茶は静岡よ…なんてね。
「食」に対する記憶というものは実に恐い。学生時代に後輩に食べさせられた自家製の「酒盗」は生臭く、今回勇気を奮ってお土産として買い求めるまで、一切口にしませんでしたから。(今回の「酒盗」は美味かった^^;)これなんだよなぁ…利益を追い求めるあまり、質を落としてしまうと、行きつく先はお客さまに見放されてしまう。生産者にとっては、これが最も恐ろしいことだと肝に銘じなければならないと改めて感じるのでありますよ。今回、お土産に買った「狭山茶」をお湯を冷まして手順通りに淹れてみました。実に美味しい…お相手は、お茶好きだった仏様(亡き親父)でありますが、決して美味しいとは応えてくれませんでしたけれどね(笑)

コメント
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