夢屋三代目当主として、最も長生き継続中の智恵者であります。
二代目が早世し、若い頃から幼い弟たちの父替わりとして、
20aの未整理田を耕作してきました。流石に、足の踏ん張りが
心もとなくなり、昨年から力仕事は、四代目夢屋が手伝っており
ますが、平成20年の収量が22.5俵(1,350kg)、いかにしても
取れ過ぎである。そう感じた私は、未整理田の縄伸びによるもの
と仮定し、夢屋ポン太郎(我が息子)と巻尺で簡易な測量を試み
ました。
転作のため、届け出の水張り面積(畦畔を除いた面積)は16a。
簡易測量の結果は、17.5a。確かに縄伸びはありましたが、
反収(10a当たり収量)は、12.86俵(771kg)であります。
周辺の反収基準が平均600kgですから、立派な篤農家であります。
恐るべし、我が家の古老。
しかし、その智恵者が語る事は、何故「庄内米」がうまかったのか。
(美味しかったのか)それは、潮風で稲がトウ立ちし、収量が
上がらなかったから。稲に無理をかけることなく、十分な登熟が
促された結果であると主張します。
さて、我が家の米の品種は「はえぬき」、可も無く不可も無し。
毎日食べるものですから、特に美味しい必要もなく、かと言って
まずくあってもならない。空気のような米であります。
山形県知事が変わり、山形の新品種「山形97号」のネーミングが
ようやく決定しました。『つや姫』
県民投票の第1位は、県民性を反映して、そのまま『山形97号』で
ありましたが、何故か3位の『つや姫』に…。
宮城県の「ひとめぼれ」や秋田県の「あきたこまち」、北海道の
「きらら」 ネーミングによって、消費者の購買意欲や興味を引く
作戦にあやかったものと思われますが、『つや姫』は、「コシヒカリ」
の遺伝子も持っており、私からすると「ややコワイ(硬い)」
都会の消費者は、これをモチモチ感と評価するのかもしれませんが、
超高齢化社会においては、我が家の「柔系、はえぬき」が美味しい
とひとり思う夢屋であります。