峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

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暗くて遠い道

2010年03月16日 | 学校教育
先ごろ、県内の小中高校で起きた暴力行為等の実態調査の統計が報道された。県教委の児童生徒支援室という部署の発表とある。
それによると、県内の小中高校で児童・生徒が起こした暴力行為は487件で、07年度の約1.7倍となっている。
暴力行為の発生数は小学校16件、中学校357件、高校114件で、いずれも前年度より増加しているが、教師に対する暴力・生徒間での暴力・それ以外の人に対する暴力・器物損壊の4分類のうち、中学校での器物損壊は07年度の5倍にあたる127件を数え、際立って増えたとある。

器物損壊が相次いだという長崎市内の中学校長は「教師が叱ると、感情をコントロールできなくなり、ものに八つ当たりする生徒が増えたように感じる」と語っている。
また、長崎市校長会で生徒指導部長を務める校長は、特定の生徒が問題を繰り返すケースが少なくないとした上で「両親の不和や経済的な困窮など家庭環境に問題があり、学校でストレスを発散させているようだ」と語っている。

校長の言葉に「教師が叱ると」とあるが、それが「叱る」というようなレベルではなく、権力や力を持つ者の弱者に対する一方的な暴力だとすれば、その「被害者」である生徒は暴力でもって、さらに弱い者に向かうし、時に物に向かうだろう。子供の有り様は、大人の写し絵そのものだ。
また、それが「家庭環境に問題があり」人間性を喪失している子供たちであればなおさらのことだろう。

人間らしさを失ってしまった子供が、魂の自立していくのは容易なことではない。それに添う役割を、彼らの家庭・親に期待するのはあまりにも酷だ。
彼らも加害者であり被害者なのだ。

これらの子供たちは、どうやって失われた人間性を回復すればいいのだろう。
彼ら自身の中に潜み、彼ら自身がいまだ気付いていない、まぶしいほど光りうる力を引き出す手伝いをしてくれるところを、いったいどこに、だれに求めればいいのだろう。
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