峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

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2010年07月20日 | 保護司
保護司宅に放火 容疑の中3逮捕 茨城(産経新聞) - goo ニュース

恐れていたことが現実のものとなった。

「最近の若い子の気持ちがさっぱり分からん」
あるとき、七十代の間もなく退任を迎えようとする保護司さんが吐き捨てるようにこう言ったたのを印象深く覚えている。
無理からぬことだ。
市井【しせい】に生きるごく普通の人が保護司を務めている。保護司になるに際し「教育学」や「心理学」を学ぶ義務はない。カウンセリングマインドを問われることだってない。研修はあるものの、それは事務的なものに終始している。

時代の流れと共に、保護観察の在り方、保護観察官・保護司の在り方を考え直すべきだった。それを捨て置いたことで、保護観察官や保護司の多くが対象者と信頼関係を築けなくなっていった。
研修の席で、対象者が約束の日にちに来てくれない。何か強制力を持たせてほしいという声が保護司たちの中からあがるのを何度か聞いた。

2005年、保護観察中の男性が重大な事件を引き起こしたのを契機に、更生保護・保護観察の在り方が社会問題となり、2007年に更生保護法ができた。
それは、確かに何か強制力を持たせてほしいと願う保護司の声に応えるものだった。そして、保護司が自身の担当する保護観察の対象者から自宅に火を放たれた。

なんという不幸だ。保護司も少年も、どちらも救われない。
コメント
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