峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

since 2005

友の人生

2008年08月05日 | 暮らし
今朝、新聞を何気なくめくっていて驚いた。高校時代の親友が経営している会社が昨日、民事再生法の適用を申請したと大きく報じられていた。負債額はおよそ25億円とある。
彼の会社はコンクリート二次製品の製造・販売を手がけ、東京・大阪を始め全国各地に7ヶ所の営業所を持つ地場大手企業だった。彼は3代目だったが、今の業態は彼が新しく切り開いてきたものだった。

住む世界が全く異なり、ここ20年ほど会ってゆっくり話すこともなかったが、10年ほど前、彼の会社の従業員で、私のところの塾生の父親が亡くなられた際に通夜の席で短く言葉を交わしたことがあった。彼は、残された遺族のこれからは自分が責任を持ってみていくと話していた。

共通の友人と話していて彼の話になると決まって、多くの従業員とその家族の生活を預かっている彼の大変さを慮【おもんばか】った。俺たちに社長業は絶対無理だよなと、彼の苦悩を察した。

彼は、幼い頃から祖母や両親に帝王学を叩き込まれて育ったようだった。
高校生の頃から大学にかけ、誘われてしばしば彼の家を訪問し、泊まったりもしたが、明らかに庶民のそれとは異なる暮らしが彼の家にはあった。また、彼の両親の彼に対する態度も我々のものとは違っていた。
当然、彼は私たち庶民の感覚とはちょっと違っているところがあった。決して悪い意味ではなく、あのような人間が「社長」になるのだなとつくづく思っていた。

「大手企業との話し合いもまとまりつつあり、支援を受けられる見込み。人生を懸けて再建していく覚悟」とインタビューに答える彼の言葉が紹介されていた。
彼らしいなぁと思った。
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