あれは、数年前の年の瀬の夕方のことだった。
何の用だったかまでは記憶にないのだが、女房どのと2人佐世保市方面へ向け車を走らせていた。
吉岡町のダイハツの店に差し掛かった時、女房どのが「あのコペンの色いいね」と声を上げた。その車は、国道沿いにあるダイハツ吉岡店の中古車展示場の最も目立つスペースに展示されていた。私の好む濃いグリーンの車体が目を引いた。
市内での用件を済ませての帰り道、辺りは既に薄暗くなってきていたが、とりあえずその店に寄ることにした。
ほとんどの従業員の方々は退社されている様子だったが、後に色々とお世話になるKさんが嫌な顔ひとつせず応接してくれた。
いつしか、すっかり夜のとばりが落ちる頃となっていたのでちょっと見て、出直すつもりでいたが、Kさんが熱心に試乗するよう勧めるので、それではと応じることにした。
是非とも高速道も走ってみてくれとのことだったので、吉岡店を出て相浦中里ICから佐世保中央IC間を通り、吉岡店に戻って来るコースを、女房どのを助手席に乗せ走ってみた。
ローダウンされているということもあり地面すれすれの低い着座位置、路面の凹凸が直に伝わってくるかのようなハードな乗り心地、きびきびとした走り。軽とは言え、スポーツカーそのもののコペンにたちまちのうちに魅了されてしまった。