峰野裕二郎ブログ

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光と影

2007年05月25日 | 暮らし
夏のボーナス、平均妥結額が過去最高93万8555円(読売新聞) - goo ニュース

昨日の「心のガソリンスタンド」に対してコメントをお寄せいただいた、ぶな太さん、トリトンさんのお話によると昨夜のNHK「ニュースウォッチ9」では都会での教員不足の問題が取り上げられていたということでした。

教員が都会で不足しているのに、地方では教職に就くのは狭き門になっているというのは、今日の格差社会を象徴している出来事と言えます。

景気は回復していると政府は言います。しかし、それは都会の、大企業の話であって、地方の中小企業や個人商店、農業・漁業・林業等は依然、厳しい状況にあります。
問題はこれが一時的なものではないところにあります。我慢【がまん】しろと言われ、それを信じて我慢しても、政府が今の都会優先、大企業優遇の政策をとり続ける限り、地方の景気がよくなることなどありえません。それは構造的な問題なのです。

勢い、多くの若者は、自分の能力を発揮するため、それに見合った環境を求め、あるいは自分の力に見合った報酬を得るために都会へ、大企業へと向かいます。かくて、地方の少子高齢化は進む一方です。

都会に比べ地方では、教員=公務員は相対的に条件のいい働き口となっています。教育学部を出た若者が教員にならずして地方で暮らしていくための選択肢は無いに等しいのです。少子化の上、このような状況ですから必然的に公務員の競争率は上がります。

ある教え子は臨時採用を7年経て今年ようやく本採用になりました。彼女の姉もそうでした。私の見聞きする範囲では、地方の教員の新卒者の採用の割合はかなり低い状況にあります。彼女らのように何年も臨時を勤めている若者が大勢います。彼らだけではなく、正規雇用でない若者の将来に対する漠然【ばくぜん】とした不安は、闇のように深く静かに広がり、社会に暗い影を落としています。

夏のボーナスの平均妥協額が過去最高になったと見出しが躍【おど】っています。が、果たしてそれを実感している人たちがどれほどいるのでしょう。

あらゆる事柄に対し政府の政策は的【まと】を射ず、施策はお茶を濁すだけのものに終始しています。
子供たちが伸び伸び、おおらかに育つ環境、若者が明るく希望を語れる状況、高齢者が老後を豊かに過ごせる社会を実現させることが、優秀な政治家と官僚たちにとって、それほど困難なこととは思えません。それがそうなっていないのは、為政者【いせいしゃ】と官僚が、あえて意図的にそうしているのか、そうでないならば彼らの怠慢【たいまん】であるかどちらかです。

政権を担うものが自らと、彼らにとって都合のいい一部の者ばかりの私利私欲を図ることに、ただ狂奔【きょうほん】してはいないでしょうか。
政権を担う者を含め、為政者の責任はきわめて重く、彼らを議場に送り出す私たち有権者の責任もまた同様に重いものです。
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4 コメント

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手をつなごう (峰野裕二郎)
2007-05-26 16:38:57
ルチルさん、ご訪問いただき有難うございます。
市民にとっての、いい社会の実現をあきらめないでいたいですね。選挙権はそのための大切な武器です。
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Unknown (ルチル)
2007-05-26 07:32:37
この思い、私だけじゃなかったと少し安心しました。
しかし内容は安心できるモノでもありません。
今度こちらでは知事選挙がありますが、慎重に考えたいと思います。
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粘り強く (峰野裕二郎)
2007-05-25 23:19:35
ほんの一握りの人たちがいい目をみるような社会は決してよくありません。
それを是正していくためには、より多くの人が問題意識を持ち、あきらめず、流されず、誠実に小さな声をあげていくことだと思います。
chigaさん、頑張りましょう。
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Unknown (chiga)
2007-05-25 21:49:16
 私は地方ゼネコンにつとめていますが、ボーナスの話を新聞で見たときは悲しくなりました。そして、知り合いの働く総合病院や福祉施設のボーナスも少ないようです。精を出して働いても報われない気がするニュースですね。
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