峰野裕二郎ブログ

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かくて 拡大再生産は続く

2007年04月25日 | 学校教育
甲子園常連校の特待制度適用発覚…対象選手は対外試合禁止も(サンケイスポーツ) - goo ニュース

九州地区高校野球大会で昨日、地元の清峰高校が福岡工大城東を5-1で降し、ベスト4入りしました。
大きな舞台でも気後れせず、伸び伸びとプレーできるところが清峰野球の魅力です。今夏、再び甲子園でさわやかな風を吹かせてほしいものです。

さて、冒頭【ぼうとう】のニュースですが、プロ野球球団から金銭を受け取っていた早大元選手の出身高校で、彼が高校生の頃、入学金や授業料等が減免されるスポーツ特待生だったということが明るみに出たことに端を発し、ルールを破っていた全国の「名門」と呼ばれる高校野球部の名前が次々と挙がっています。スポーツ特待制度が学生野球憲章に抵触するというのです。

それにしても、野球部に限りスポーツ特待がダメだというのをまったく知りませんでした。私の身近では、私立高校野球部の特待は公然と語られています。

かつて、県大会で優勝するほど強かった、ある中学校の野球部の主力メンバー4人が塾に通って来ていたことがあります。中3の夏以降、彼らの間では、どこそこの高校から誰それを引っ張りに来たという話で持ち切りでした。
結局、その中の1人でエースだった子が、甲子園に何度か出場している地元の、ある私立高校に進学しました。「B特待(授業料半額免除)」と言っていました。

彼、ならびに彼の両親が、スポーツ特待が学生野球憲章に触れることを知っていたのかどうか定かではありません。しかし、高校側がそれを知らなかったとの言い訳は通らないでしょう。

今回のプロ野球・西武球団の裏金問題が露見【ろけん】するまで、全国の少なくとも野球で学校の名前を売ろうとしている高校は、平然とルールを破り、高野連もそれを見て見ぬふりをしていたのです。

〔学生野球としてはそれに止まらず試合を通じてフェアの精神を体得する事〕
これは、日本学生野球憲章中の文言【もんごん】です。

表向きには聞こえのよい言葉を並べ、見えないところで悪事を働くという、私たちの社会の至る所で見かけられる根の深い、深刻な問題です。

西武球団の裏金問題に絡んでいた専大北上高校が野球部を解散したと聞いたとき、思いきった決断をしたなと感じ入ったものでしたが、よくよく聞いてみると、一時、同好会という形にして、なるべく早い時期に再び部に昇格させるつもりだとかで、高野連もそれを評価したという話でした。まさに茶番です。
つまり、世間のほとぼりが冷めるまで辛抱しましょう、ということなのです。これでは時間がたてば、旧【もと】の木阿弥【もくあみ】です。

子供たちは、しつけだとか教育だとかといって殴られたり蹴られたりしながら、暴力が、ものごとを解決する絶対的手段であることを学び、教科の未履修問題や、今回の問題のようなことで、自らに都合のいいことは、たとえルールを破ってもいいんだということを学び、ばれなければ何をしてもいいんだということを学び、自然の摂理に反することをたくさん学び、やがて見事に、そういう大人になり、大人になった彼らは、彼ら自身が育てられたように次の世代を育てるのです。
 
そういえば、「なんとか還元水」との名セリフを吐かれた松岡農水相の光熱水費問題のその後を聞きませんが、やはり、ほとぼりが冷めるまで、ということなのでしょうね。
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