峰野裕二郎ブログ

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学校の存在意義

2009年07月12日 | 学校教育
柳ケ浦高が大分大会初戦出場へ バス横転事故、教諭送検(共同通信) - goo ニュース

週末に車を運転していると、しばしば高校の野球部のマイクロバスを見かける。都府県の内外を問わず週末を利用して練習試合に出かけているようだ。
高速道のサービスエリアでは、食べ物をほおばっている丸刈りの、がたいの良い異様な集団と出くわすことがままあるが、ほぼ間違いなく野球で有名な高校の部員一行だ。
その他の部活動のマイクロバスを見かけることはほとんどない。

私の知るところでは、高校の運動部で強豪校と呼ばれるようになったところの監督のほとんどが、県内外の強豪校との練習試合がいかに重要か口をそろえる。もっともだと思う。そのためにバスは必要不可欠なものとなる。

事故当日、柳ヶ浦高校野球部は自前の専用バス2台を連ねて夏の甲子園県大会開会式場に向かっていた。
柳ヶ浦は野球で有名な高校だ。全国から部員も多く集まるのだろう。このたびの事故で犠牲になった吉川君は奈良県の出身とある。野球部は全寮制で、80人の部員の大半が県外出身者だと伝えられている。

柳ヶ浦高校野球部のバスは、普通見かけるマイクロバスではなく大型のバスだったようだ。それを2台も連ねていた。普通の高校の野球部ではそうもいかないだろう。
甲子園に出場するともなれば莫大な寄付が集まる。清峰高校でも寄付金をめぐり、いろいろなごたごたが起きた。それほどお金が集まる。
甲子園常連校の柳ヶ浦高校野球部ともなれば、大型バス2台を自前で所有するのもそう難しいことではなかっただろう。また、野球部の活躍こそが柳ヶ浦高校を柳ヶ浦高校たらしめるのであるとすれば、同校にとってバスはどうしても必要なものだった。
しかし、それが今回の不幸な事故につながってしまった。

高速道路でのハンドル操作の過ちは、死亡事故に直結する。あふれるほどの未来を抱えた少年たちを乗せた大型バスの運転をしていたのは、大型免許を取得して間もない26歳の教諭だったという。
大分県警の調べに対し、彼は「速度の出し過ぎで、ハンドル操作を誤った」と供述しているという。

26歳の若い教師は昨年4月に採用され、同年6月に大型免許を取得したばかりだったそうだ。いくら若くともプロの教師である以上、教科の指導にかけてはそれなりの覚悟を持っていただろうが、47人もの人間の尊い生命を預かるドライバーとしての覚悟があったのかどうかは疑問だ。
プロのドライバーをつけなかった学校の責任は重大だ。

また、吉川君は車外に放り出されたことが死亡の遠因と考えられる。シートベルトを着用していれば、車外に放り出される確率ははるかに低かっただろう。実際、シートベルトをしていた教諭はケガさえなかったらしい。
しかし、事故を起こしたバスは運転席以外にシートベルトはなかったとある。
私も、福岡までの行き帰りに高速バスを利用することがあるが、乗客のシートベルトは義務付けられている。
学校の過失は、あまりにも大きい。

果たして、学校は何のために、誰のためにあるのだろう。

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