「アダプト・プログラム」というのがある。一般的には馴染みのない言葉だが、ひとくちで言えば、自治体の手が回らないところを住民が請負うというものだ。例えば、道路沿いの除草作業や河川・公園等の清掃活動がある。
地域の環境美化と自治体の経費削減という両者にとって具体的なメリットがあるのみならず、住民が主体的にまちづくりに関わっていこうとする意識の醸成に大いに役立つものだと考える。つまりは、住民自治の根っこに繋がる重要な取り組みだと言えよう。
ちょっと調べてみて驚いたのだが、ここ岡山県は、そのアダプトプログラムが他県に抜きんでて広く展開されている。中でも備前市の普及ぶりはどうだ。
官民協働は、今後の自治体運営の肝となる課題だといえようが、その礎となるものが備前市民の間には備わっているのだ。
先だって開かれた市の振興計画審議会の会議の席上でも、このことを取り上げ、市民がその認識を深くできるようメッセージを発することが大切だと訴えた。
私が暮らす地区でもアダプトによる道路の除草作業が年に数回行われている。
昨日は、今年3回目のその作業を地区の男性陣7、8人で行った。
県道沿いと地区で管理している桜公園の草刈りを終えた後は、集会所と神社の清掃をしている女性陣の応援に駆け付けた。
この時期、集会所の裏手と神社の境内は大量の落ち葉に見舞われる。女性陣だけでは覚束ないのだ。
午前8時から始めた作業は正午近くまでかかったが、誰一人として文句など言う者はいない。時に近況などを語り合い、冗談を交わし、楽しいひと時を過ごすことが出来た。
自宅の庭の掃除をした時よりも、清々しい気持ちで女房どのと2人して愛用の軽トラに乗って帰宅した。
住民が広く参加して地域を作り、町を作っていく。至極当たり前のことであり、素敵なことではないだろうか。