峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

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しろくまちゃんとこぐまちゃん

2017年11月11日 | 家族

「こぐまちゃんえほん」シリーズで知られる絵本作家の「わかやま けん」さんが一昨年の7月17日に死去されていたことが、今年7月15日から9月3日まで大分県宇佐市民図書館で開催されていた原画展で明らかにされたと8月18日付の新聞が伝えていた。85歳だった。

「こぐまちゃんとどうぶつえん」「こぐまちゃんおやすみ」「こぐまちゃんのどろあそび」「こぐまちゃんとふうせん」「しろくまちゃん ぱんかいに」など、我が家にもこぐまちゃんシリーズの絵本がたくさんある。思えば、子供たちとずいぶん読み聞かせを楽しませてもらった。
中でも子供たちに圧倒的に人気があったのが「しろくまちゃんのほっとけーき」だ。
「ぽたあん、どろどろ、ぴちぴちぴち、ぷつぷつ、やけたかな、まあだまだ、しゅっ、ぺたん、ふくふく、くんくん、ぽいっ、はいできあがり」
フライパンの中で、次第にホットケーキができる様子が描かれているページにさしかかると、私は、出来上がったホットケーキを指でつかみ自らの口に放り込み、美味しいおいしいと言いながらもぐもぐと食べる。
その後、同様に手につかんだホットケーキの一切れを子供の口元へ運ぶ。すると、子供はそれを不思議そうに口に入れ、最初は疑心暗鬼に、しかし直ぐにもぐもぐと美味しそうにそれを食べた。

我が家の子供たちの想像力は、そのようにして絵本から育まれ、豊かに育っていったように思う。そして、今、子供たちが親となり、それは次の世代へと確実に受け継がれている。

今年の夏の休暇でみんなが揃っていたある日の昼下がりのことだった。
1歳を過ぎたばかりの糸葉さんに私が「こぐまちゃんのみずあそび」を繰り返して読み聞かせていると、くるみさんが突然、「わかやまけん」って、「和歌山県」のことだとばかり思っていた、と今更のように言うものだから、みんなが大笑い。

「こぐまちゃんのみずあそび、わかやまけん、こぐましゃ」というように、我が家では絵本を読む際、先ず、本のタイトル、次に作者名、そして出版社名と順に読み上げて、絵本の中身へと入っていく。
くるみさんの姉2人は結婚し、自らの子供に絵本を読み聞かせているから「わかやまけん」が作者の「若山 憲」だと分かっているが、まだ独身のくるみさんにはそれがぴんときていなかったようである。。
幼い頃に耳にしていた「わかやまけん」という音が、おそらくは、その後、学校の社会科の授業で学習した「和歌山県」という音に何となく重なっていたのだろう。

毎日、私たちには理解不可能な英語の論文を読んでいるくるみさんが、幼児のための絵本のことで思いもつかないような間が抜けたことを言ったのでなおさら可笑しかった。

わかやま けんさんのご冥福を祈る。

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