峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

since 2005

ラーメン屋

2008年07月21日 | 暮らし
先の金曜日、橘香館の体育大会を見に出かけたことを記した。
お昼までで帰ろうかと思ったが、昼食後に応援合戦があるという。せっかく来たのだからと、くるみさんの応援団員ぶりも見ていくことにした。
昼食は校舎の中でどうぞという館長の言葉に、近くのコンビニでおにぎりでも求めようかと考えたが、何となくラーメンが食べたくなり、街中の小さな中華店の暖簾【のれん】をくぐった。

店に入ると、店内にいた4人がいっせいに私の方を見た。瞬間、条件反射的にカウンターで新聞を手にしている人をお客さんだと思ったが、4人そろって「いらっしゃい!」の言葉。「エッ、全員店の人かよ」と、その店の構えと従業員の数との隔たりにいささか驚かされた。

お客さんで混んでいる店内は落ち着かないものだが、店の人4人に対し客1人という状況も落ち着かない。ラーメンを注文した後、目のやり場にさえ困るほどだった。幸い、テレビがお昼のニュースを伝えていたので、そこに視線を落ち着かせた。
テレビは民主党の衆議院議員だった永田議員の訴訟問題を取り上げているところだったが、そのことについて店主らしき男が話しかけてきた。こちらの気まずさを彼は察したのだろう。
そういう人なんだと感じた私の方からも「調味料とか材料費が値上がりしていて大変でしょう」と話しかけると、我が意を得たりとばかり店主らしき人物は、彼らの商売がやりにくくなっている状況をまくし立て始めた。

話が地域社会の崩壊についてまで及んだ頃、年配の3人連れの客が入ってきた。
若い人は、まず来ないという。みんなコンビニかファーストフードかファミレスかホカ弁ですよ。暑い日に、暑い店なんか来て、汗かきながらラーメン食べることないですもんねと自嘲【じちょう】気味に話してくれた。

3人連れの客が入ってきたのを潮に店を出ることにした。「いくらですか?」と尋ねると「450円」ですと言う。一瞬耳を疑った。ラーメン1杯がたったの450円なのだ。「思わず、安いですね」と言うと、その店主らしき男性は黙って笑っていた。おそらくはファミレスとかホカ弁の値段に合わせているのだろう。

1人で外で食事をする機会はめったにない。家族で外食をするときは女房どのや子供たちの好む店となる。その選択肢に空調のないラーメン屋など入る余地もない。勢い、ちょっとおしゃれなレストランとなる。

しかし、厨房【ちゅうぼう】の奥でこだわりの一品を作り続けるシェフのいるレストランもいいが、私は、どちらかと言えば、厨房どころか、店の裏口から裏庭までもが丸見えの、人懐こく気のいい店主のいるラーメン屋の方が性に合っているとあらためて感じた。
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親子とは喜び合う関係

2008年07月20日 | 私塾
「目覚めた時思い付いた」 埼玉、父親刺殺事件(共同通信) - goo ニュース

父親と少女は『勉強しろ』と言われて『はい』という、やりとり以外の会話はあまりなかったという。

「子供が家で勉強しなくて困っています」というようなことを訴えられる保護者に対し、私は「子供に勉強してほしかったら、勉強しろと言わないことです」と常々申し上げている。なぜなら、勉強しろ・勉強しろとやかましく言われ、どんどん勉強するようになり、すくすく伸びていったというような子供を知らないからだ。その逆の例はごまんとある。

「子供に勉強してほしかったら、勉強しろと言わないことです」とお話しすると「言わなかったら、まったくしません。これ幸いと遊び惚【ほう】けています」とおっしゃる方がいる。
どのくらいの期間、それを言わなかったのか聞くと、せいぜい1週間くらいだ。私が「言わない」というのは一生のことだ。
もし、道に迷った子供がいたとして、その子にその子、本来の道を歩んでほしいと願うのであれば、彼に添う大人は腹を括【くく】らなければならない。

もともと、親と子の関係は極めて情的なものだろう。ご縁があって親と子の関係になれたことを喜び合い、美しい花を愛【め】でては喜び合い、人生を共に歩む伴侶【はんりょ】ができたことを心から喜び合えばいいのだ。
基本的に、知的なことを教え込もうなどとすると、せっかくのご縁で結ばれた親と子の関係を台無しにしてしまいかねないことにつながる虞【おそれ】がある。
商業主義や、つまらない常識に決して翻弄【ほんろう】されてはならない。
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さきがけ

2008年07月19日 | 学校教育
昨日は、くるみさんの通う橘香館の体育大会を見に出かけた。

橘香館は、いわゆる普通の高校とはずいぶん異なった学校だ。そもそもは向陽学園という学校法人の高校の普通科・特進コースなのだが、本体の高校とは全く別の敷地にそのコースだけが独立した形で存在している。
もっとも、向陽高校には橘香館だけではなく「パティシエコース」とか「エステティックコース」とか「調理科」など、ユニークなコースが存在する。高校というより、むしろ専門学校的な在りようだ。

昨今の少子化で私立学校は安穏【あんのん】とはしていられない状況を迎えている。全国的に生き残りをかけ、多くの学校でさまざまな改革が行われているようだが、向陽高校の特化したコース設置もそうした流れの中にあるのだろう。

経営面を第一義に学校が変わっていく傾向を決して好ましいとは思わないが、大分県の教員採用汚職事件に象徴される今日の教育者の在り方、あるいは、理念なき教育行政に翻弄される学校現場を目の当たりにするとき、とりあえず、学校に関わる者の変わろうとする心に一縷【いちる】の望みを見出す。
向陽高校の取り組みは、教育という概念が滅びることを前提にしているかのようでもある。つまりは、自ら進んでやろうと思ったことしか身につかないことを向陽学園の理事長はご存知なのかもしれない。

たしか、橘香館には当初校則がなかった。それほど制約がない。また、学校祭のようなものもない。部活動もない。大学進学を目標に主体的に勉強さえやってくれればそれでいい。そういうことなのだろう。
体育大会は一昨年から始まった。それも少しずつ変わっている。昨年までは学年別対抗だったが、今年から縦割りになった。平日に行われることもあってか、保護者への案内はない。今回も保護者は数えるほどしか来ていなかった。
ただひたすら生徒たち自身が楽しむために行われている。実際、競技中、ある生徒が仲間に「楽しもう!」と声をかけていた。教師はそれを微笑ましく見守っているという感じだ。その在りようは私にも心地よかった。


橘香館の体育大会でもっとも盛り上がるのが仮装競争だ。学級対抗でクラスの担任を仮装する。担任はされるがままだ。昨年、森川先生はご自慢のひげをそり落とされた。その仮装競技のためだけにである。

最後の生徒全員によるフォークダンスでは、ダンスの途中に生徒たちが教師に駆け寄り、踊りの輪の中に引き込んだ。

くるみさんは、相変わらず応援団のメンバーとして張り切っていた。

写真は、仮装競技での1年1組の担任の姿。彼は、仮装を最初に紹介されたが、その後、みなが次に注目していくため、この炎天下の中、気の毒にもしばらく写真の姿のまま放置されていた。
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プライド

2008年07月18日 | スポーツ
大リーグのオールスターゲーム、試合前のセレモニーでは殿堂入りしている往年の名プレヤーの紹介が行われた。
守備位置ごとに名前がアナウンスされると、観衆から大きな拍手と喚声が沸き起こる。すっかり年老いた彼は、あの頃のように颯爽【さっそう】とはいかないものの、それでも、この日、この一瞬のために生きてきたかのような晴れがましい顔でグラウンドに立ち、彼の誇りを支えてきた野球帽を手に取り、高くかざし、観衆の尊敬の念と親愛の情に応えた。

子や孫ほど歳の差のあるAロッドがジータが憧れの先輩と抱擁【ほうよう】を交わす。
イチローは、彼が自分のことを知っていてくれたと少年のように無邪気に喜んだ。

Aロッドもジータもイチローも、おそらくは数十年後の自分の姿をグラウンドに立つ彼の姿に重ねていたことだろう。

お互いを支える尊敬の念と親愛の情、それがあってこそ人は誇りを持って生きていける。
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ボーダーレス

2008年07月17日 | スポーツ
昨日の大リーグオールスターゲーム、やはり感動的なものだった。
特に、選ばれし世界のスーパースターが集うゲームに、2人の日本人選手が先発を果たしたのだから興奮度も上がろうというものだ。イチロー選手がアメリカンリーグのライト、福留選手がナショナルリーグのセンターをそれぞれ守った。
特に、イチロー選手は2打席目にクリーンヒットを放ち、守備でもライトフェンスで跳ね返った打球をこの上ないポジショニングでキャッチ、2塁のカバーに入ったジータ選手にこれ以上ないほどのコントロールで送球、打者走者を見事タッチアウトに仕留めた。

途中交代したイチロー選手は、ダッグアウトに通じる狭い通路で解説者の与田さんのインタビューを受けた。開口一番「気持ちよかったですよ。イキそうになりましたよ」といきなりのハイテンション。与田さんが呆気【あっけ】にとられていると、さすがにばつが悪くなったようで「つっこんでくださいよ」と照れていた。
その後、1打席目の強振についてホームランを狙っていたのかと尋ねられると、いつもの調子で「もちろんですよ!」
彼は、普段でもホームランは狙って打つというが、この夜はすべての打席でホームランを狙っていたと興奮した口調で語った。その熱い気持ちが自然とこちらにも伝わってくる。

インタビューを受ける間、イチロー選手は意識してカメラに正対するのを避けているようだった。
もしかして、彼は泣いているのでは…。そう思い、よく見ているとたしかに目が赤くなっていた。さらに、左横顔の目じりからわずかに涙があふれているようだった。
ゲームの前のセレモニーで伝説の名プレーヤーたちが紹介されたが、彼らのほとんどが自分のことを知っていてくれて声をかけてくれたという。それをイチロー選手はたいそう喜んでいた。

ところで、15日は絵理子さんの誕生日だった。女房どのに言われ気付いた。
すでに新婚旅行先のパリから戻っているようだ。ずっと住みたいくらいパリはよかったと話しているそうだ。
ジューン・ブライドにパリといえば、絵理子さんの従姉妹【いとこ】も6月に結婚した。彼女は仕事の関係でパリで挙式し、しばらくはパリに住む。

若い世代は、すでに国境を越え始めている。地図には国境を示す線が引かれてあるが、そもそも地球上に国を分ける線なんて存在しない。

希望は、ある。
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乗り越えて行こう

2008年07月16日 | 将棋
王位戦第1局、深浦王位を応援する立場の者からすれば残念な結果となった。深浦さんには気を取り直していただき、次も頑張ってもらいたい。

昨夜もNHKテレビ「プロフェッショナル」を見た。
「ライバルスペシャル・最強の二人、宿命の対決」という題で、先の名人戦を通して棋士・森内俊之と羽生善治の生き方が描かれていた。

羽生さんは、定跡【じょうせき】が絶対だと思わない方がいい。定跡に頼っているといいアイディアが浮かばない。むしろ、定跡を全部忘れ去って考えた方がいいアイディアが浮かんでくるという。
メディアの質問に答える最近の羽生さんからしばしば同じようなことを聞く。
つまり、「常識」に囚【とら】われるなということだ。常識に囚われていては、壁を乗り越えられない。「常識」から開放された先に、次の何かが見えてくるのだろう。

さらに、羽生さんは勝ち負けだけにこだわった将棋を指すことには意味がないともいう。
要するに、手段を選ばず、地位や名誉や金品を手に入れても、それは虚【むな】しいだけだというのだ。
受験に合格するためだけの勉強をしていても心を虚しくするだけだ。勉強する意味を考えたい。

森内さんの語る言葉の中にも、生き方のヒントが宝石のようにちりばめられていた。
それを記したいのは山々だが、今日は大リーグのオールスターゲームの放送が間もなく始まる。午前10時からは夏の高校野球の長崎県大会準々決勝の模様もテレビ中継がある。今年、我が清峰高校は第1シード、久しぶりに期待が持てるチームにできあがっている。全国の高校野球ファンのみなさんにも楽しみにしていただきたい。

今日の午前中ばかりは、エアコンを効かせた快適な部屋で野球の醍醐味【だいごみ】を堪能【たんのう】させていただこう。
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新たな舞台で

2008年07月15日 | 将棋
いよいよ王位戦が始まった。昨日が第1局の初日、そして今日2日目を迎えている。
深浦さんにとっては初めてのタイトル防衛戦、その心中は察するに余りある。
なんとか先勝して、気分的に乗っていきたいところだ。

町内会長会でみなさんとご一緒した2日間、第22回朝日オープン将棋選手権の佐世保対局を記念して作られた扇子を使っていたところ、将棋に関心をお持ちのみなさんに興味を持っていただいた。
時の選手権者は深浦さんで、今回と同じく羽生さんが挑戦者だった。あれから4年の月日が流れた。舞台を変えて新たな2人の戦が始まっている。

ガンバレ、フカウラ!!
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かけがえのない学びの場

2008年07月14日 | 町内会長
昨日・今日と町内会長会の視察研修に参加してきた。研修先は佐賀県三養基郡基山町。町内会長会の運営状況と町内会長会と行政との関わりについて意見交換してきた。

今回の研修もいろいろと学ぶことが多かった。明日からの仕事に活かしたい。
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希望の朝

2008年07月13日 | 家族
朝、6時に目を覚ますと静かに雨が降っている

が、間もなく止んだ

遠くで刈り払機の高いエンジン音が響いている

希望の朝が来た
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くるみさんの進む道

2008年07月12日 | 父親と子
久しぶりに、女房どのと2人でくるみさんを訪ねた。

午前中、模試を受け、午後からは友人らと体育祭の仮装の買い物に出かけることにしているという。午後4時に寮を訪れることにした。
ならばと、途中、川棚の「しおさいの湯」で温泉を楽しんだ。
セルシオで初めての遠出だったが、セルシオそのものも十分楽しめた。

くるみさんは変わらず元気だった。寮母さんの言では「のびのびやっている」そうだ。
絵理子さんの結婚式の時には、将来どういう道に進むべきか、これだというものが見えてこないと悩んでいたが、結局、ひとまわりして大学は薬学部の創薬化学科を目指すことにしたと話してくれた。理科の授業がとても面白いという。

いつものように大村ジャスコで買い物し、久しぶりに鈴田峠農園の「野鳥の森レストラン」で夕食をとった後、くるみさんを寮まで送り、帰途に着いた。

午後9時ごろ、ハウステンボスのそばを通るとすでに真っ暗になった夜空に花火が開いていた。
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