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よき時代

2016-02-16 20:25:15 | 日記
 春一番が吹いたと思うと、昨夜はみぞれが降っていました。今日はお友達と、曽我の梅林へ出かける予定でした。朝起きると青空。行いがいい二人だから と浮き浮き出かけました。下車駅はスイカが使えません。切符を買って出かけるように注意書があったのに、二人ともスイカに慣れているのでつい忘れました。そういえば切符は買ったことが最近ないですね。駅を降りて地図を見るのですが、はっきりした道がないのです。あとで聞いたところ、昭和31年に畑に梅を植えたそうです。実のなる白梅です。私たちの歩くところは、農道できちんとした地図はありません。のどかに十字路にある梅の名前の標識を頼りに歩きました。どこまでも梅林が続きます。

 最近、漱石の「門」を読みましたが、そこにある雨漏りの様子。蜆売りのこと。掛け軸や屏風のこと。かろうじて私が子供のころにあったような気がします。雨戸をあける音、竹ぼうきで庭を掃く音、牛乳屋さんの牛乳瓶の音。明かり取の窓、縁側、床の間、無駄と思えるものの存在が心のゆとりだった気がします。障子を破って祖父に叱られたけど、そんな子供時代があったことはよかったなぁ と思うこのごろです。

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