一人暮らしを始めた際に、布団を持ってきたため
実家に帰るといつも、妹とシングルベッドで一緒に眠っています。
比較的でかく育った妙齢の姉妹二人にとって、
シングルベッドはややせせこましいのですが、
寝相の悪い姉妹同士、押しつ押されつ、蹴りつ蹴られつしながらも
均衡の勢力を保ち、仲良く睡眠を取ることができています。
しかし、今回の帰省では風邪で弱っていたのりぞうが
どうやら深夜の戦いに負けていた模様。
一足早く目覚めた妹はぬくぬくと布団を被っている自分の隣に
布団を取られて縮こまっているのりぞうを発見したことを
申し訳なさそうに告白してくれました。
ちょっと!!
風邪で弱っている姉になんて仕打ちを!!
と憤っていたところ、土曜の夜は父上が
「あんた、今日はどこで寝るんね?」
と珍しく自分から娘に話しかけてきました。
どこで、って、いつものように妹のベッドやけど。
他に場所、ないし。
「狭いんやないんね?
布団も足りてないんやないんね?」
確かに。今日も戦いに負ける可能性高し。
でも、他に場所はないけんねー。
何?父上と母上の布団で一緒に眠っていいってこと?
と、冗談半分で聞いてみたところ
「自分の寝る場所は自分で確保し。」
と、YesなのかNoなのかよく分からない返事が返ってきました。
うーん。どっちだ?どっちなんだ?
と、悩みつつも、とりあえず寒かったので
テレビを見ながらもそもそと両親の布団に入り込み
体を温めることに専念するのりぞう。
と、その様子を発見して叫ぶ妹。
「姉ちゃん!なんて恐ろしい場所で寝とうと?!
早く出て!出て!母に怒られるけん!」
・・・・思い出しました。
あれは、確か今を去ること10年前。(いや、もっと前か?)
のりぞうが部屋で試験勉強をしているといつも
「電気が勿体無いけん。」
と言いながら、妹と母上がストーブや新聞やおやつなどを
のりぞうの部屋に持ちこみ、のりぞうの部屋をリビングにして
過ごしておりました。
のりぞう家族には「プライバシー」なる言葉がないのです。
ある日のこと、のりぞうが宿題を片付け、眠りにつこうとすると
のりぞうの布団には既に先客が。
狭い部屋にお気に入りのリラックスグッズを持ち込んで
すっかり気持ちよくなった母上が一足早く熟睡しておりました。
母上を起こす作業が面倒だったのりぞうは
「ま、いっか。今日は私が父と寝ればいいんだし。」
と、気軽に考え、母上と父上の布団に移動。
翌朝、のりぞうのベッドで目覚めた母上は
のりぞうが父上と一緒に眠っている姿を発見し
朝から真剣に怒り狂ったのでございます。
「信じられん!!
なんでのりちゃんが父さんと一緒に寝とうと?!
そこは私の場所なんやけんね!!」
怒り狂う母に妹も私もしばし呆然。
まさか、こんなに真剣に怒られるとは
昨夜の時点でどちらもまったく予想だにしていなかったのです。
そもそも、のりぞうのベッドに先に寝たのは母やん。
「起こせばいいやん!!
大体、あなたもあなたよ!!
なんで、のりちゃんと寝るん?!
どうせ、私なんかより自分の娘のほうがかわいいんでしょ?
血がつながっとうもんね!!」
怒りの矛先を父上に向ける母親。理不尽すぎます。
・・・ていうか、嫉妬する相手を間違えてるってば。
娘にそこまで真剣に嫉妬してどうすんのさ?
あれから10年。(いや、それ以上?)
未だに母上は父上が大好きです。
父上の布団にのりぞうが入っている姿を見かけた妹が
心底怯えて、のりぞうを布団から追い出そうとするぐらい。
「おねえちゃん!!
おねえちゃんは私と寝よ?ね?
そこは母の場所やけん!!」
結婚生活30年。
未だに母親は父親に片想い中、それが夫婦円満の秘訣です。
実家に帰るといつも、妹とシングルベッドで一緒に眠っています。
比較的でかく育った妙齢の姉妹二人にとって、
シングルベッドはややせせこましいのですが、
寝相の悪い姉妹同士、押しつ押されつ、蹴りつ蹴られつしながらも
均衡の勢力を保ち、仲良く睡眠を取ることができています。
しかし、今回の帰省では風邪で弱っていたのりぞうが
どうやら深夜の戦いに負けていた模様。
一足早く目覚めた妹はぬくぬくと布団を被っている自分の隣に
布団を取られて縮こまっているのりぞうを発見したことを
申し訳なさそうに告白してくれました。
ちょっと!!
風邪で弱っている姉になんて仕打ちを!!
と憤っていたところ、土曜の夜は父上が
「あんた、今日はどこで寝るんね?」
と珍しく自分から娘に話しかけてきました。
どこで、って、いつものように妹のベッドやけど。
他に場所、ないし。
「狭いんやないんね?
布団も足りてないんやないんね?」
確かに。今日も戦いに負ける可能性高し。
でも、他に場所はないけんねー。
何?父上と母上の布団で一緒に眠っていいってこと?
と、冗談半分で聞いてみたところ
「自分の寝る場所は自分で確保し。」
と、YesなのかNoなのかよく分からない返事が返ってきました。
うーん。どっちだ?どっちなんだ?
と、悩みつつも、とりあえず寒かったので
テレビを見ながらもそもそと両親の布団に入り込み
体を温めることに専念するのりぞう。
と、その様子を発見して叫ぶ妹。
「姉ちゃん!なんて恐ろしい場所で寝とうと?!
早く出て!出て!母に怒られるけん!」
・・・・思い出しました。
あれは、確か今を去ること10年前。(いや、もっと前か?)
のりぞうが部屋で試験勉強をしているといつも
「電気が勿体無いけん。」
と言いながら、妹と母上がストーブや新聞やおやつなどを
のりぞうの部屋に持ちこみ、のりぞうの部屋をリビングにして
過ごしておりました。
のりぞう家族には「プライバシー」なる言葉がないのです。
ある日のこと、のりぞうが宿題を片付け、眠りにつこうとすると
のりぞうの布団には既に先客が。
狭い部屋にお気に入りのリラックスグッズを持ち込んで
すっかり気持ちよくなった母上が一足早く熟睡しておりました。
母上を起こす作業が面倒だったのりぞうは
「ま、いっか。今日は私が父と寝ればいいんだし。」
と、気軽に考え、母上と父上の布団に移動。
翌朝、のりぞうのベッドで目覚めた母上は
のりぞうが父上と一緒に眠っている姿を発見し
朝から真剣に怒り狂ったのでございます。
「信じられん!!
なんでのりちゃんが父さんと一緒に寝とうと?!
そこは私の場所なんやけんね!!」
怒り狂う母に妹も私もしばし呆然。
まさか、こんなに真剣に怒られるとは
昨夜の時点でどちらもまったく予想だにしていなかったのです。
そもそも、のりぞうのベッドに先に寝たのは母やん。
「起こせばいいやん!!
大体、あなたもあなたよ!!
なんで、のりちゃんと寝るん?!
どうせ、私なんかより自分の娘のほうがかわいいんでしょ?
血がつながっとうもんね!!」
怒りの矛先を父上に向ける母親。理不尽すぎます。
・・・ていうか、嫉妬する相手を間違えてるってば。
娘にそこまで真剣に嫉妬してどうすんのさ?
あれから10年。(いや、それ以上?)
未だに母上は父上が大好きです。
父上の布団にのりぞうが入っている姿を見かけた妹が
心底怯えて、のりぞうを布団から追い出そうとするぐらい。
「おねえちゃん!!
おねえちゃんは私と寝よ?ね?
そこは母の場所やけん!!」
結婚生活30年。
未だに母親は父親に片想い中、それが夫婦円満の秘訣です。