のりぞうのほほんのんびりバンザイ

あわてない、あわてない。ひとやすみ、ひとやすみ。

ソクラテスの口説き方/土屋賢二

2007年12月24日 18時00分42秒 | 読書歴
■ソクラテスの口説き方/土屋賢二
■内容
 「なぜ結婚すべきか」「好まれる中年男」「命令に従わせる方法」
 「妻のために死ねるか」など、人生におけるさまざまな難問を
 あらゆる角度から笑い飛ばし、読めば読むほどなぜか戦意喪失させる
 哲学の権威、土屋教授の爆笑エッセイ。

■感想 ☆☆☆
 まったく内容はないのに、楽しく読めるエッセイでした。
 ただひたすら屁理屈をこねくりまわして、人生のあらゆる深遠な
 悩みについて考えている作品。
 屁理屈のこねくり回し方が「哲学教授」っぽく、言葉遊びのような
 感覚で面白く読み進めることができました。

 よくよく考えると、(よくよく考えなくても?)くだらないのに
 ついつい熱中してしまいます。

 この作品の中で、一番ツボだった一節。
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  そもそも、何が好きなことなのかは十代やそこらで簡単に
  分かるようなものではない。私は大学卒業まで、学問を好きに
  なるとは思ってもいなかった。五十代になってはじめて、結局
  学問を好きにはなれないかもしれないと思い始めたところだ。
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 そう。結局のところ、自分の人生でさえ、よく分からないのだ。
 「自分探しの旅」をする方々にぜひ、読んでほしい作品。

ホームレス中学生/田村裕

2007年12月24日 17時47分35秒 | 読書歴
■ホームレス中学生/田村裕
■感想 ☆*
 言わずと知れた今年最大のベストセラーです。
 「女性の品格」のほうが売れてるのかな?どっちだろ?
 現在、150万部の売り上げだとか。すごいなー。

 図書館派のワタクシは、概してこういうベストセラーとは無縁なのですが
 この本は職場の先輩が購入しており、貸していただくことができました。
 先輩いわく
 「さらりと読めて、面白いですよ。」

 本当にさらりと読めました。読めたけど。うーん。
 すべて本当に起こった出来事で、こういった出来事が
 身に降りかかってくるってすごいことだなぁと思います。
 そして、こういった出来事を冷静に振り返り、面白おかしく
 人に伝えることができることもすごいことだな、と思うのです。
 人間としての器が大きいなぁ、と。

 ただ、本として面白いかというと、それはまた話が別で。
 私は実際に、田村さんがバラエティ番組でこの本に書いてあることを
 話しているところを聞いたことがあるだけに、本で読むよりも
 本人の口から聞いたほうが数倍面白いし、迫力があるな、と
 思いました。

 ここ最近、ずっと感じていることですが
 活字には活字の、語りには語りの、漫画には漫画の、
 ドラマにはドラマの、映画には映画の役割があると思うのです。
 どれで表現するかをきちんと選ぶことって大切。
 そう思います。この作品は、語りで人に伝えたことを
 そのまま活字にしているだけで、そこが読んでいて少し
 いらっときました。太字を使ったりフォントを変えたりして、
 話を強調するのではなく、言葉の力でその迫力を伝える。
 それが本の役割なのではないかな、と思うのです。

 できれば、映画化やドラマ化はもうやめてほしいかな。